研究課題/領域番号 |
15F14773
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
佐藤 真一 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 教授 (90249938)
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研究分担者 |
RENOUST BENJAMIN 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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キーワード | Multiplex graph / 情報可視化 / 放送映像アーカイブ / 国際比較 |
研究実績の概要 |
本研究では、複数の文化、特に複数の国にわたる大規模マルチモーダルアーカイブの構造化並びにその探索技術の検討を行う。ニュースを主たる対象とする。特に、ニュースにまつわるメディア情報、すなわち放送映像やWeb情報等からなり、画像・映像・テキスト・音響等の複数のメディア情報、さらには人物、場所、時間、話題等の意味的重層構造をなし、それらが互いに関連しあっているような情報を適切に構造化し、特に複数階層のグラフ構造として表現する手法、またその構造との対話や可視化等の探索技術について検討する。さらには、特に日本とフランスにおいてこうした構造を抽出し、文化や国の違いに基づく相違点や共通点等を適切に探索可能とする。これにより、計算機科学における関連技術の進展が見込める他、社会科学やメディア学等に全く新たな研究手段を提供しうる。 平成27年度は、日本の放送映像から構造化情報を抽出する手法の検討を行った。日本のニュース映像から抽出した顔情報に基づき、同一トピックでの同時出現数、同一ショットでの同時出現数、時間分布等に基づきグラフ構造を抽出した。また、これに基づく可視化システムを実現し、その有効性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、日本の放送映像、特にニュース映像を対象とし、その内容を表す構造をグラフとして抽出すると同時に、効果的な可視化を実現しており、その有効性も確認した。その成果は国際会議二件にて発表済みであり、国際ジャーナルへの採録も決定している。全般的に順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
日本とフランスの放送映像からの構造化情報の抽出を行い、そこから得た構造化情報の階層化グラフ情報の扱いに基づく適切な比較手法について検討を行う。フランス国立視聴覚研究所(INA)との共同研究を開始しており、フランスの放送映像の解析はINAと共同して実施する。研究成果の取りまとめを行い、日仏アーカイブの探索システムを実装し、その評価を行う。
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