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2015 年度 実績報告書

水中フロー有機分子変換を実現するポリマー担持ユビキタス金属触媒の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15F15039
研究機関分子科学研究所

研究代表者

魚住 泰広  分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 教授 (90201954)

研究分担者 PAN SHIGUANG  分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2015-04-24 – 2017-03-31
キーワードポリマー担持触媒 / ユビキタス金属 / エチレンアミン / 酸化的カップリング / アルコール酸化 / ヒュスゲン1,3-双極子環化付加
研究実績の概要

本研究課題では、次世代型有機分子変換工程の必要要件である高効率分子変換、地球資源の有効活用、環境調和、持続性をすべて満たした、究極的な環境調和型触媒的分子変換工程の実現を目指し、水中フロー有機分子変換を実現するポリマー担持ユビキタス金属触媒の開発を実施している。これまでの研究成果の概要を以下に示す。
1:末端アルキンの酸化的ホモカップリング反応を触媒するポリマー担持銅錯体の新規開発:ポリスチレンポリマー担持テトラエチルジエチレントリアミン-銅(II)錯体を新規に開発し、末端アルキンの酸化的ホモカップリング反応に適用した。その結果、本錯体触媒存在下、反応が効率良く進行し、目的とする1,3-ジインが最高99%収率で得られた。本錯体触媒は、回収・再利用が可能であり、触媒活性を失うことなく8回再利用可能であった。
2:両親媒性ポリマー担持ポリ(ジエチレントリアミン)-銅錯体の新規開発およびアルコールの酸素酸化反応、水中ヒュスゲン1,3-双極子環化付加反応への展開:
両親媒性ポリスチレン-ポリエチレングリコールポリマー担持ポリ(ジエチレントリアミン)-銅錯体を開発し、アルコールの酸素酸化反応および水中ヒュスゲン1,3-双極子環化付加反応に適用した。その結果、いずれの反応においても、本担持錯体触媒存在下、反応が効率良く進行し、目的とするカルボニル化合物および1,2,3-トリアゾールが良好な収率で得られた。また、本錯体触媒も、回収・再利用が可能であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度において、一連のポリマー担持アミン系配位子の合成、本触媒をバッジ系の反応(酸化的ホモカップリング反応、アルコールの酸素酸化反応、ヒュスゲン1,3-双極子環化付加反応)へ展開したところ、いずれの場合においても、反応が効率良く進行することを見出した。今後は、これらの反応系のフロー反応化に注力することで、目標達成が大いに期待される。

今後の研究の推進方策

これまでの研究により、新規ポリマー担持銅触媒を開発し、本触媒をバッジ系の反応(酸化的ホモカップリング反応、アルコールの酸素酸化反応、ヒュスゲン1,3-双極子環化付加反応)へと展開してきた。いずれのバッジ系反応においても、触媒が良好な再利用性を示している。今後は、これらの反応をフロー系で実施していきたいと考えている。特に、ヒュスゲン1,3-双極子環化付加反応は、バッチ系での水中反応を実現していることから、フロー系へと展開することで、本課題の目標達成に近づくことが期待される。また、開発してきたポリマー担持銅触媒を酸化的カップリング反応などの他の反応へ展開していき、触媒の基質適応性について詳細に検討していきたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 2.Recyclable Polystyrene-Supported Copper Catalysts for the Aerobic Oxidative Homocoupling of Terminal Alkynes2016

    • 著者名/発表者名
      Shuo Yan, Shiguang Pan, Takao Osako, Yasuhiro Uozumi
    • 雑誌名

      Synlett

      巻: 27 ページ: 1232-1236

    • DOI

      10.1055/s-0035-561361

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] Polymer-supported metal catalysts for aqueous organic transformations2015

    • 著者名/発表者名
      Shiguang Pan
    • 学会等名
      Science Dialogue Program
    • 発表場所
      長野県諏訪清陵高等学校、長野県諏訪市
    • 年月日
      2015-11-26
    • 招待講演
  • [学会発表] Oxidative Homocoupling of Terminal Alkynes with a Polymer-Supported Copper Catalyst2015

    • 著者名/発表者名
      Shuo Yan, Shiguang Pan, Takao Osako, Yasuhiro Uozumi
    • 学会等名
      13th International Kyoto Conference on New Aspects of Organic Chemistry
    • 発表場所
      リーガロイヤルホテル京都、京都府京都市
    • 年月日
      2015-11-09 – 2015-11-13
    • 国際学会
  • [備考] 分子科学研究所 魚住研究室

    • URL

      https//group.ims.ac.jp/organization/uozumi_g/

URL: 

公開日: 2016-12-27  

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