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2015 年度 実績報告書

羽ばたき翼飛行のマルチスケール空気力学

研究課題

研究課題/領域番号 15F15061
研究機関千葉大学

研究代表者

劉 浩  千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40303698)

研究分担者 KOLOMENSKIY DMITRY  千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2015-04-24 – 2017-03-31
キーワード毛翼 / タンポポ / マルハナバチ / 乱流 / マルチスケール流体力学
研究実績の概要

本研究では、生物の表面微細構造におけるマイクロ流体力学と羽ばたき翼まわりのマクロ流体力学を統合するマルチスケール生物流体力学現象の解明を目指す。平成27年度の主な研究成果は、以下の通りである。
(1) 毛翼のマイクロ構造のマルチスケール流体力学に関して、タンポポを使った風洞実験やPIV流体可視化、さらにresistive-force theoryに基づいた理論的なモデルの構築やFourier pseudo-spectral Navier-Stokes solverによるCFD解析を実施した。これらの結果を基に、超低レイノルズ数における空気力学の新しいOseen理論モデルを提案した。
(2) マルハナバチ羽ばたき飛行のマルチスケール流体力学モデリング研究の一貫として、乱流飛行中におけるマルハナバチ羽ばたき飛行の大規模DNSシミュレーション、胴体ダイナミクス解析や飛行安定性モデルの構築を遂行し、マルハナバチの飛行制御における胴体ロール運動による受動的メカニズムを解明し、理論モデルも提案した。論文一編投稿中である。
(3) マルハナバチ羽ばたき翼のfeathering運動力学モデルを構築し、CFDモデルと連成解析を行った結果、揚力発生に大きく寄与するfeathering運動がエネルギー最小で且つ受動的に実現できることを確認した。
4)羽ばたきロボット(flapper)を使った超低速風洞実験により、マルハナバチ羽ばたき飛行の動的安定性と機動性を定量的に評価した。その結果、乱流飛行中において、マルハナバチが十分に揚力を発生しているが、より大きいパワー消費していることが分かった。現在高インパクトファクターの論文を執筆中。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の計画された毛翼のマルチスケール流体力学の研究以外にも、大型昆虫マルハナバチや羽ばたきロボット(flapper)の研究をおこなうことができた。3つのプロジェクトとも、良い成果が得られた。

今後の研究の推進方策

(1) 毛翼のマイクロ構造のマルチスケール流体力学に関して、提案したOseen理論モデルとCFDモデルを併用して毛翼のマルチスケール流体力学シミュレーションを実施し、マルチスケール空気力学のメカニズムを解明するとともに、論文にまとめる。
(2) マルハナバチ羽ばたき翼の受動的捻りと曲げの力学モデルを構築し、CFDモデルと連成解析を行うことにより、昆虫翼の柔軟ヒンジの空気力発生や飛行安定性及び制御への影響を評価する予定である。
(3) マルハナバチ飛行実験と羽ばたきflapperの風洞実験を併用し、マルハナバチ羽ばたき飛行の乱流飛行中において、飛行安定性と機動性のtradeoff問題の解明を目指す。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] Aerodynamic ground effect in fruitfly sized insect takeoff.2016

    • 著者名/発表者名
      D. Kolomenskiy, M. Maeda, T. Engels, H. Liu, K. Schneider and J.-C. Nave
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 11(3) ページ: e0152072

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0152072

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Bumblebee flight in heavy turbulence2016

    • 著者名/発表者名
      T. Engels, D. Kolomenskiy, K. Schneider, F.-O. Lehmann and J. Sesterhenn
    • 雑誌名

      Physical Review Letters

      巻: 116 ページ: 028103

    • DOI

      10.1103/PhysRevLett.116.028103

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Analysis of bumblebee flight in unsteady wind using wind-tunnel experiments and high-fidelity numerical simulations2016

    • 著者名/発表者名
      D. Kolomenskiy, H. Liu
    • 学会等名
      SICB Annual Meeting
    • 発表場所
      Portland OR, USA
    • 年月日
      2016-01-06 – 2016-01-06
    • 国際学会
  • [学会発表] Numerical modelling of bumblebees flying in turbulence2015

    • 著者名/発表者名
      D. Kolomenskiy, H. Liu
    • 学会等名
      Workshop on “Aspects of motions in biofluid problems”
    • 発表場所
      Kyoto, Japan
    • 年月日
      2015-10-27 – 2015-10-27
    • 国際学会
  • [学会発表] Numerical simulation of a bumblebee in fully developed turbulent flows2015

    • 著者名/発表者名
      D. Kolomenskiy, H. Liu
    • 学会等名
      8th Asian-Pacific Conference on Biomechanics
    • 発表場所
      Sapporo, Japan
    • 年月日
      2015-09-17 – 2015-09-18
    • 国際学会

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公開日: 2016-12-27  

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