本研究の目的はディジタルホログラフィを用いた3次元構造と3次元物質分布の同時動画像計測顕微鏡の開発し,生体や生細胞の多くの情報の獲得し,解析することにある。本技術は,焦点合わせが不要,定量的評価が可能である。しかし,被測定物体に細胞の数が多い場合に,単一細胞に自動的に焦点合わせをする必要である。そのため,ディジタルホログラフィック顕微鏡にオートフォーカス技術を導入し,単一細胞に自動的に焦点合わせすることを可能にした。その結果は国際学会International Workshop on Information Opticsで発表した。 また,ディジタルホログラフィック顕微鏡では,一般的に連続光を利用するため,動く物体を記録する時,残像が発生するという問題がある。特に高速移動する3次元物体内部をマイクロメートルオーダーの解像度でメートルオーダーの計測を行う技術開発が求められている。この要望に対して、最高300 mm/s の高速ステージと最高2000フレーム毎秒の高速イメージセンサを用いたディジタルホログラフィック顕微鏡を構築した。3波長ディジタルホログラフィック顕微鏡システムを試作する前に,まず単波長ディジタルホログラフィック顕微鏡に対して,残像影響を低減する研究を行った。デコンボリューションフィルタを利用することで,構築したディジタルホログラフィック顕微鏡システムにおける高速移動位相物体の位相再構成像を改善したことを国内学会OPJ2015及び国際学会IWH2015で報告した。
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