研究課題/領域番号 |
15F15068
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
太田 道広 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 省エネルギー研究部門, 主任研究員 (50443172)
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研究分担者 |
JOOD PRIYANKA 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 省エネルギー研究部門, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2016-03-31
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キーワード | 熱電変換 / 層状結晶構造 / ナノ構造制御 / 配向制御 / 未利用熱エネルギーの活用 / 金属物性・材料 / 電子・磁気物性 / 金属・資源生産工学 |
研究実績の概要 |
本研究では、カルコゲナイドの一種である硫化物とテルライドに注目し、結晶構造、ナノ構造、マイクロ構造の各階層を制御して、これら熱電材料の熱電特性を向上させることを目標とした。以下に本研究の成果を挙げる。 硫化ニオブ(NbS2)層と硫化ランタン(LaS)層から構成されるミスフィット層状硫化物(LaS)1.14xNbS2において、その低い熱伝導率の起源を調査した。その結果、NbS2層とLaS層の界面(結晶構造)、ならびにLaS層に導入されているナノサイズの格子歪み(ナノ構造)により、効果的なフォノン散乱が引き起こされ、その結果、低い熱伝導率がもたらされていることを見出した。マイクロ構造においては、結晶粒の配向制御に成功して電気特性の改善に成功した。これらの結果、従来材料と比較して、熱電性能指数ZTの30%向上を達成して、x = 1.05試料において、950 KでZT = 0.2を実現した。 次に、ヨウ素(I)をドーパントとして使用したn型鉛テルライド(PbTe)において、マグネシウム(Mg)を添加することで5 nm程度のナノ構造を形成することに成功した。このナノ構造によるフォノンの効果的な散乱により、熱伝導率の低減を実現した。さらに、Mg添加により、直径30 μm程度の大きな粒と1 μm程度の細かな粒が共存するマイクロ組織を形成することにも成功した。共存マイクロ組織においてもフォノンが効果的に散乱されて、熱伝導率がさらに低減できた。これらの結果、PbTe0.9972I0.004-1 mol% MgTeにおいて、800 KでZT = 1.2という非常に大きな値を達成した。 ここで事情により本研究開発の期間が二年間から一年間に短縮となったため、タイトルに含まれるデバイスの開発研究を実施できなかった。ただし、上記の通り、材料の開発研究において優れた成果を挙げることができた。
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現在までの達成度 (段落) |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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