研究課題/領域番号 |
15F15078
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小島 由継 広島大学, 先進機能物質研究センター, 教授 (20394546)
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研究分担者 |
KUMAR SANJAY 広島大学, 先進機能物質研究センター, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2015-07-29 – 2017-03-31
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キーワード | 水素貯蔵材料 / リチウムボロハドライド / 水素化マグネシウム / 塩化ジルコニウム / 活性化エネルギー |
研究実績の概要 |
水素貯蔵材料の開発は次世代水素エネルギーシステムに対して重要な役割を果たすと考えられる。リチウムボロハドライド(LiBH4) は高容量水素貯蔵材料(水素貯蔵量:12.5 wt %)として注目されているが、吸蔵 放出速度が遅く、熱力学的に安定なため水素貯蔵材料として利用することは困難である。MgH2との複合化やチタン等の添加剤を加えることで反応速度と熱力学を改良することが可能であるものの、燃料電池へ応用するためにはさらに改良が必要である。 本研究では、LiBH4 -MgH2システムに対して、Zr系化合物(塩化ジルコニウム:ZrCl4)を添加し、その水素吸蔵放出特性を評価した。また、走査電子顕微鏡、X線回折装置、赤外分光光度計、X線光電子分光分析装置、示差走査熱量測定装置等で分析を行い、水素吸蔵放出特性との関係を研究した。 ZrCl4を添加したLiBH4やZrCl4を添加したMgH2の水素放出実験から求めた活性化エネルギーはLiBH4やZrCl4に比べ低下した。ZrCl4を添加したLiBH4-MgH2についても活性化エネルギーは未添加LiBH4-MgH2に比べ低下した。水素放出後、5MPa、300℃の水素圧下で再水素化を試みたが水素吸蔵は困難であった。LiBH4とMgH2の組成比を変えて、水素放出特性を評価して、活性エネルギーを求めた(LiBH4:25~75wt%、MgH2:75~25wt%)。LiBH4とMgH2の組成比が50/50のときに最大の水素放出量を示し、活性化エネルギーは最低値となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
これまで、種々のZr系触媒のスクリーニングを行い、ZrCl4がLiBH4とMgH2対して高活性な触媒効果を示すことが見出された。 そこで、このZrCl4を用いてLiBH4-MgH2の水素吸蔵放出特性の評価や構造解析を行ってきた。研究室の装置を全て利用でき、計画以上に研究は進展している。
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今後の研究の推進方策 |
添加剤(Zr系化合物:ZrF4,ZrC,ZrN,ZrB2,Zr02, ZrCl4等)を含んだLiBH4-Mg(NH2)2システムを作製する。 X線回折装置、走査電子顕微鏡、赤外分光分析装置等でZr系化合物を添加したLiBH4-Mg(NH2)2システムのモルフォロジーと均一性について研究する。水素吸蔵放出特性を評価して、2年目のプロジェクトレポートを執筆する。 また、国際会議に出張して1年目の研究成果を発表する。
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