研究課題/領域番号 |
15F15084
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
青沼 仁志 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (20333643)
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研究分担者 |
DIRIENZO NICHOLAS 北海道大学, 電子科学研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2015-07-29 – 2016-03-31
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キーワード | パーソナリティー / 生殖行動 / 攻撃性 / 行動生態学 / 神経行動学 / クロコオロギ / セアカゴケグモ |
研究実績の概要 |
本研究では,動物の行動に見られる行動の個体差(パーソナリティー)に着目して,その生態学的な意義と生理学的な基盤を明らかにする目的で研究を進めた.昆虫のコオロギの攻撃性の違いを個体差と捉えて,メスの生殖行動における配偶者の選択行動における脳内の生態アミン類のはたらきについて調べた.DiRienzoの帰国にともない,一旦実験は終了し,結果については現在解析中である.一方,コオロギの捕食者として使う予定だったセアカゴケグモで行動のパーソナリティについて興味深い結果が得られた. セアカゴケグモが糸で作る巣には,身を守るシェルターの機能と餌となる小型の節足動物の捕獲の機能がある.セアカゴケグモの巣を観察したところ,シェルター部分を頑丈に作り上げ,捕獲ネットの部分は貧弱な作りの巣の構造と,シェルター部分は貧弱ではあるが,捕獲ネット部分はしっかりとした構造に作り上げた巣の2タイプが観察された.シェルター部分をしっかりと作ると外敵から身を守ることはできるが,餌の捕獲効率は下がる.従って,この2タイプにはトレードオフの関係が成り立つ.行動観察の結果,未交尾のセアカゴケグモは,振動刺激に対して忌避行動を示したが,交尾後の個体では攻撃行動を示した.未交尾個体は交尾個体に比べて攻撃性が低く,刺激に対してシェルターに逃げ込むような行動を示した.この交尾の有無の観点で,クモがした巣の構造を観察したところ,未交尾のメスのセアカゴケグモでシェルター部分を頑丈に作り,交尾後の個体では,より多くの餌を捕獲できるような巣の構造を作ることが明らかになった.現在,交尾個体と未交尾個体が構築した巣の構造について詳細に解析中である.また,それぞれの個体の脳内アミンの働きについても現在解析中である. 研究成果については,今後投稿論文として発表する予定である.
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現在までの達成度 (段落) |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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