研究課題
本研究では(1)蛍光指紋と多変量解析による青果物や果実加工品等の活性酸素消去能推定、(2)核磁気共鳴法との比較による活性酸素消去能に寄与する成分の同定、(3)(2)の知見を利用した活性酸素消去能推定精度の向上の3点について研究を推進することを目的にした。今年度はモモをはじめ、リンゴ、トマト、トマトジュース、様々な青果物や果実加工品を対象物とし、蛍光指紋とESRスピントラップ法により同一試料の複数の活性酸素種についてその消去能を実測した。蛍光指紋を説明変数、実測した活性酸素消去能を目的変数とし、Partial Least Squares (PLS)回帰分析等の多変量解析手法を適用することにより、前者から後者を推定する検量線を作成した。モモの場合、蛍光指紋によりアルコキシラジカルとスーパーオキシドラジカルの消去能を精度よく推定できることが示された。推定モデルに寄与する波長条件も明らかになり、特にモモの場合は寄与する成分も推測できた。
2: おおむね順調に進展している
計画の予定通り、様々な農産物及び青果物加工品を蛍光指紋の計測とESRスピントラップ法による複数の活性酸素種の消去能の実測とその推定モデルを作成し、蛍光指紋による推定力を評価した。
同一試料を核磁気共鳴法の実験に供試し、活性酸素消去能に寄与する成分を同定する。この知見を利用し、活性酸素消去能推定精度の向上について検討する予定である。
すべて 2016 2015
すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)