前年度までに、金属ナノ粒子を用いて、トキソプラズマ原虫の増殖阻止に働くかを解析した結果、特に銀ナノ粒子が原虫の分裂・増殖阻止に働くことを証明した。さらに、より細胞に取り込まれやすい形態にすることを目指し、トリプトファン被覆の金及び銀粒子に関して、その後の解析を行った。トリプトファン被覆がきちんとできているかを解析するため、透過型電子顕微鏡で解析を行った結果、金及び銀ナノ粒子の各々において、トリプトファンの被覆が確認された。これらの解析結果を受け、本年度は原虫のシスト(休眠型虫体)に対するナノ粒子の効果を解析した結果、一定の抗原虫効果があることが明らかとなった。さらに、金属ナノ粒子の抗原虫機構について解析を行った結果、酸化ストレスやトリプトファン代謝経路が関わっていることがわかった。
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