研究課題/領域番号 |
15F15108
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
袴塚 高志 国立医薬品食品衛生研究所, 生薬部, 部長 (60221488)
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研究分担者 |
KUCHTA KENNY 国立医薬品食品衛生研究所, 生薬部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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キーワード | 益母草 / オリーブ / メタボリックシンドローム |
研究実績の概要 |
本研究は、益母草(Leonurus japonicus)及びオリーブ(Olea europaea)の葉を対象として、含有される化学成分について比較検討し、特に、益母草については欧州薬局方に同属のLeonurus cardiacaが収載されていることから、その薬理活性等に着目しながら検討し、日独の天然物医薬品及び天然素材に関する双方向国際展開を目指すものである。 本年度は、Leonurus japonicus及びLeonurus cardiacaより17種類の成分を単離し、メタボリックシンドロームに関連する核内受容体PPARα,β/σ及びγへの影響について検討した。PPARリガンド結合部位とGAL4結合部位を連結し、その下流にルシフェラーゼレポーター遺伝子を接続した発現ベクター系を用い、成分の活性を評価したところ、7R-chloro-6-desoxy-harpagideがPPARβ/σを活性化させることが分かり、本成分が抗糖尿病治療薬開発のシーズとなり得ることを示すことができた。一方、Olea europaeaのエキスについては、PPARα,β/σ及びγのいずれに関しても影響を及ぼさなかった。 これらの結果を含めて、論文4報、学会発表9件、図書1件を成果報告しており、中でも、7月にBonnで開催されたPHYTOPHARM学会において受賞したポスター賞は特筆に値し、積極的に研究活動を遂行している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的通り、Leonurus japonicus及びLeonurus cardiacaの化学成分について検討し、メタボリックシンドロームのうち糖尿病に関与するPPARβ/σを活性化させる成分を見出し、より17種類の成分を単離し、2015年7月にBonnで開催されたPHYTOPHARMにおいて学会発表しており、順調に研究は進んでいるものと判断される。なお、Leonurus属植物に関する発表ではないが、同学会にて「Curcumin induces apoptosis in hepatic stellate cells via inhibition of the MyD88 pathway」の発表において2015年のポスター賞を受賞している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の目的通り、益母草及びオリーブを中心に化学成分に関する検討を進め、日独の天然物医薬品及び天然素材に関する双方向国際展開を意識しながら、積極的に国際あるいは日本国内での成果報告に努める。
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