研究課題
いままでの研究により、様々な自己免疫疾患で産生される自己抗体がミスフォールド蛋白質/MHCクラスII分子複合体を特異的に認識することが明らかになってきた。そこで、ミスフォールド蛋白質/MHCクラスII複合体が自己免疫疾患の発症、および自己抗体の産生に関わっているかを解明する必要がある。この目的を踏まえて、以下の研究を展開した。抗リン脂質抗体症候群(APS)における自己抗体の解明。APSでは当初、リン脂質に対する自己抗体が認められると考えられてきたが、最近の研究により、リン脂質そのものに対する抗体では無く、リン脂質が結合したβ2グリコプロテインⅠ(β2GPI)に対する自己抗体であることが分かってきた。そこで、我々は、APSで産生される自己抗体はβ2GPI/MHCクラスII分子複合体を認識することを明らかにした。特に、今までの臨床検査方法では、検出できなかったような自己抗体も検出されることが明らかになった。また、APS患者から採取した流産絨毛においてβ2GPI/MHCクラスⅡ複合体が存在することが明らかにかった。さらに、β2GPI/MHCクラスII分子複合体発現細胞は、自己抗体によって障害されることから、β2GPI/MHCクラスII分子複合体は、自己抗体の標的分子として病態に関与している可能性が考えられた。また、難治性皮膚潰瘍患者においても、β2GPI/MHCクラスⅡ複合体に対する特異的な自己抗体が存在することが明らかになった。以上の結果によって、実際にミスフォールド蛋白質/MHCクラスII複合体及び自己抗体がどのように自己免疫疾患の発症に関与するのかを研究が進めている。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Br. J. Dermatol.
巻: in press ページ: in press
in press
PLoS One.
巻: 11 ページ: e0150496
10.1371/journal.pone.0150496. eCollection 2016.
http://immchem.biken.osaka-u.ac.jp