研究課題
小児ウイルス下痢症の迅速診断法の開発と、分子疫学的解析を通じて、既存のワクチンの効果の検証と新たなワクチン開発を目的とし、以下の研究を行った。①わが国並びに南アジアの国々の下痢症検体でロタウイルス、ノロウイルスを含めた約12種のウイルスのmultiplex PCRによる遺伝子診断を確立し、予後因子との関連を解析②ウイルスと鑑別を要する細菌感染症のLAMP法による迅速診断法の開発③ワクチンが広く実用化されたロタウイルス感染症の遺伝子型の変化の検討。その結果、単一検体から複数のウイルスと病原細菌を検出する技術を確立し、しばしば複数のウイルスによる同時感染や細菌とウイルスの重複感染が存在すことを明らかしたが、特定の予後因子を同定するには至らず、現在も継続検討中である。ロタウイルスについては ワクチン自体が特定のウイルス株を誘導するという結果は得られなかったが、ブタに感染するウイルス株とヒトウイルス株の間で種を越えた遺伝子交換が生じていること,下水や井戸水などの環境中の汚染が多く存在することをを明らかにした。本研究成果による下痢症ウイルスの分子スクリーニングと遺伝子解析の確立により、我が国ならびに近隣諸国にける小児下痢症の予後改善並びに公衆衛生環境の向上に貢献するものと考える。さらに、ノロウイルスGII.4 Sydneyの抗原決定基となリエルエピトープを明らかにし、これに対するモノクローナル抗体とウイルス中和活性を検討中である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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