研究課題
(1)化学気相成長(CVD)法で作製されたグラフェンに対して細線状に加工を行った試料を作製し、低温にて走査ゲート顕微法(SGM)による観察を行った。不規則性の強いCVDグラフェンであっても量子干渉効果が観測され、それらは磁場や電場およびホットキャリアによって変調可能であることを見出した。低磁場印加によるSGM像の変化に対しては弱局在現象と量子干渉効果に基づいて解析を進め、磁気振動から見積もられる干渉領域と広がりと、試料構造との関係を議論した。(2)h-BN/単層グラフェン/h-BNサンドイッチ構造を有する試料の低温時期伝導現象を観測した。この構造により移動度は100,000 cm2/Vsまで劇的に上昇し、これにより準バリスティック伝導領域での量子干渉効果を議論することができるようになった。拡散伝導領域で観測されていたエルゴード理論(電場と磁場に対する伝導度ゆらぎが等価であるという理論)の破れが観測され、それがグラフェンにおける本質的な性質であることが示された。さらに磁場の印加により明瞭なシュブニコフ-ド・ハース振動が観測され、その解析からh-BN/グラフェン/h-BN系でのキャリアの位相緩和時間等について議論を行った。(3)低キャリア密度のエピタキシャルグラフェンの低温磁気伝導について観測し、電子-電子相互作用による温度依存性や、バリアブルレンジホッピング伝導、電荷トラップ現象、化学ドーピングによる半導体/金属転移現象の観測に成功した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Nanomaterials
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Carbon
巻: 136 ページ: 211-216
10.1016/j.carbon.2018.04.067
J. Phys.: Condens. Matter
巻: 29 ページ: 225301-1-6
10.1088/1361-648X/aa6d36
http://adv.chiba-u.jp/nano/qnd/index.html