研究課題/領域番号 |
15F15320
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 譲 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (30342794)
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研究分担者 |
DOAN THAI SON 北海道大学, 電子科学研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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キーワード | ランダム力学系 / 確率分岐 / 確率カオス / Dichotomy spectrum |
研究実績の概要 |
ノイズと決定論的力学の相互作用に伴う雑音誘起現象は非線形物理学では古くから研究されてきた問題です。雑音誘起現象とは、決定論力学系の自然測度が微小ノイズにより大幅に変化し、決定論極限で観測されなかった非線形現象がノイズ存在下で観測されるようになる現象です。よく知られた雑音誘起現象である確率共鳴、ノイズ同期、雑音誘起カオスは、いずれも緩急のついた運動を引き起こす不変多様体や、カオティックサドルといった不変集合と外部ノイズとの相互作用により生じます。とくに決定論的動力学がカオス的、あるいは潜在的にカオス的である場合、非自明な確率分岐現象が生じることが知られています。本研究の目的は非線形ランダム力学系の数値解析法を開発するとともに、ランダムlogistic写像、確率Lorenz系における確率分岐構造を解析し、確率カオスの現象論を構築することにあります。本年度は特にランダムlogistic写像における確率分岐、および確率位相方程式におけるノイズ同期現象を研究しました。本研究費(繰り越し分)に基づいて、2017年4月24日-28日に京都大学において、国際研究会Kyoto Dynamics Days: Random Dynamical Systems Theory and Its Applicationsを主催し、佐藤譲とThai Son Doanが参加講演しました。Jeroen Lamb, Martin Rasmussen, Maxi Angel (Imperial College London)、Ale Jan Homburg(University of Amsterdam)らを招聘し、ランダム力学系に関する総合的な共同研究を開始しました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最も単純かつ非自明なランダム一次元写像であるランダムlogistic写像におけるtopological bifurcationを研究します。本年度は特にランダムlogistic写像における確率分岐を研究しました。2017年4月24日-28日に京都大学において、国際研究会Kyoto Dynamics Days: Random Dynamical Systems Theory and Its Applicationsを主催し、佐藤譲とThai Son Doanが参加講演しました。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はランダムlogistic写像で得た結果を踏まえて、確率位相方程式の同期現象の研究をします。数値計算法を精密化させることにより、アトラクターの多様体構造にそって時間発展するサンプル測度(初期点の集合)の運動を数値的に観察します。Dr. Thai-Son Doanは初年度の離散ランダム力学系の結果に基づいて、確率位相方程式における同期現象を定式化し、数値計算の結果との整合性を解析します。結果を洗練するために、Imperial College London数学科のProf. J. Lamb、Dr. M. Rasmussenとの議論を予定しています。
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