研究実績の概要 |
正四面体Fe-AsやFe-Sb正四面体(閃亜鉛鉱型)共有結合を有する狭バンドギャップ・キャリア誘起III-V族強磁性半導体[(In,Fe)As, (Ga,Fe)Sb, (In,Fe)Sb]とその超薄膜・量子井戸・ヘテロ構造・ナノ構造、それらを用いたスピン機能デバイスを作製することを目的として、 初年度は以下の研究を行った。 1) 分子線エピキタシー(MBE)法による新しい鉄系強磁性半導体薄膜[(In,Fe)As, (Ga,Fe)Sb, (In,Fe)Sb]を作製した。 2) (In,Fe)As超薄膜を含む量子井戸構造をもつを作製し、波動関数をゲート電圧で制御することにより、電気的手段で磁性を制御することに成功した。 3) Fe濃度20%まで添加した(Ga,Fe)Sb混晶半導体薄膜を成長し、その構造、磁気物性、磁気光学効果、磁気輸送特性などを詳細に調べた。 4) Fe濃度20%の(Ga,Fe)Sbの強磁性転移温度(キュリー温度)T_Cは230Kに達した。これはIII-V族強磁性半導体のT_Cとしては最高値である。
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