研究課題/領域番号 |
15F15363
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鳥海 明 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50323530)
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研究分担者 |
Chen Jikun 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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キーワード | 遷移金属酸化薄膜 / 金属・絶縁体転移 / モット転移 / 電子相関 |
研究実績の概要 |
Chen氏は,昨年の11月に来日以来,非常にアグレッシブに実験に励んでいる。 また,当研究室の実験システムにもほとんど習熟し,スキルは着実に進歩している。 内容は主に遷移金属酸化物薄膜をパルス・レーザー・デポジション法によって基板上に堆積し,その物性を調べることであるが,堆積条件を試行錯誤で探索している段階であり,物性探索の段階までは至っていないが,3月に東京で開催された応用物理学会にも参加し,来日前に行っていた研究成果を来日後にまとめることによって発表した。 今年度のさらなる活躍を期待している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先に9で述べたように,実験技術の習熟は早く,内容の飲み込みもたいへん早い。 研究室内での発言もたいへん活発である。遷移金属として現在はバナジウムを用い,VO2薄膜を形成することをこころみている。この部分は当研究室においてここ数年調べてきたことでもあるのでほぼうまく行っている。そのVO2膜と水素との関わりを調べることが研究内容になっており,その手法のところで現在試行錯誤をしているが,実験の進め方とフィードバックの速さを見ていると,この部分はさほど時間がかからずに乗り越えられるとみている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は上記の方針をつらぬいて,水素と金属・絶縁体転移の関係を定量的に調べていくことをめざす。金属・絶縁体転移は物理的にはたいへん興味深いが,これを応用していく上ではなかなか焦点をつかみにくい。この転移に対する水素の影響が明らかになると,きわめて単純な水素センサーというだけでなく,転移温度の調整や,あるいは転移による抵抗値の変化の増大,あるいはあらたな応用が見えてくるのではないかと考えている。もうしばらく推移を見て,秋にもう一度方針の再確認を行うことを考えている。
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