研究課題
メタンハイドレートは、種々の粒度分布を持つ地盤の中に存在しており、メタンハイドレートによる固結力がそれらの土に及ぼす影響を知ることと、生産時の分解により、どのように固結力が消失していくのかを知ることは重要なことである。本研究では、まず、種々の細粒分を有する砂にメタンハイドレートを生成させ、三軸圧縮試験を行なった。その結果、細粒分含有率の高いホスト砂程、メタンハイドレートによる固結力が高くなるという知見が得られた。また、自然のホスト砂以外にガラスビーズを用いた実験も行った。その結果、表面の滑らかなガラスビーズに対する固結力は、ひずみの増加に伴い急速に消失することが明らかとなった。これらの実験結果を用いて、簡易な構成モデルを作成した。このモデルは、メタンハイドレート胚胎砂のせん断強度やせん断剛性、ダイレイタンシー特性におよぼすホスト砂の細粒分含有率の影響を拘束圧の違いにより表すことが可能なものとなった。さらに、円筒模型実験装置を用いてガスハイドレート生産実験を行った。豊浦砂をホスト砂とした場合、試料作成から、ハイドレー ト生成、減圧法によるハイドレート分解実験終了まで、4週間程度で実験を行うことが出来るようになった。ホスト砂として、南海トラフのメタンハイドレート貯留層を模擬して細粒分を含む砂を準備し、その中にハイドレートを生成し、装置中央の坑井より減圧を行 うことによってハイドレートの分解実験を行った。坑井から放射状に間隙水圧計と熱電対を設置したが、細粒分を有する試料では、坑 井からの距離が長いほどハイドレートの分解に至るまでの時間遅れが認められ、最終的に坑井から全てのガスを回収できない結果となった。坑井近傍の砂の粒径を大きくして透水係数を上げたところ、ハイドレートの分解を促進することができ、また最終的により多くのガスの回収が可能となった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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