研究課題
本研究では,三つの実験水槽を利用した。一つは、東京大学船型試験水槽(70m長4m幅水深4.5m)である。本郷キャンパスにあり、任意時系列による直進波の造波が可能である.初年度に造波機能の確認を行った。二つ目の水槽は、東京大学生産技術研究所海洋工学水槽(50m長10m幅5m水深)である。この水槽は、多方向造波が可能である。平成28年5月に,直進波及び方向性を考慮した実験を行った.また,柏キャンパスにある小水槽(7m長,1m幅,0.7m水深)にて,波群の形成に関する実験を行った.同時に、生研海洋工学水槽を模擬した二次元数値水槽(Numerical Wave Tank 2D以降NWT2D)を使った研究を行った.水槽の解像度が波浪の再現性に大きく影響することが判った.その数値水槽を用いて,高次のブリーザー解の再現を行った。また、非線形シュレーディンガー方程式、拡張シュレーディンガー方程式(Dysthe方程式)の数値解を求めた。以上、3つの水槽の実験、数値水槽、二つの非線形方程式の解を比較した。水槽実験では、様々なブリーザー波を再現し,造波機能を確認した.特に初期位相に着目した.振幅の変調が正しく表現されていても,初期の位相の微小な違いにより,理論解とは異なるブリーザーが発生することが判っている.そのため,位相を変えた実験を行い、スペクトル及び時系列発達の特徴を捉えた。そして、選ばれた実験ケースについては、数値水槽による数値実験を行い、実験で得られた結果の時系列及びスペクトルとの比較を行った。計測された時系列から,逆に造波時の波形を造波することを試みた.これは,非線形シュレーディンガー方程式(以下NLS)の特性と利用して,時間軸を逆にすることに相当する.しかしながら,現実的には,前述した位相の問題,背景にあるノイズの問題が有る.そこで,初期位相の問題とさらに,微小擾乱を加えた造波実験を行った.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 6件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 10件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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