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2015 年度 実績報告書

匂いと味の多感覚統合を支える神経回路の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15F15384
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

風間 北斗  国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, チームリーダー (90546574)

研究分担者 WEI HONGPING  国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2015-10-09 – 2017-03-31
キーワード多感覚統合 / 嗅覚 / 味覚 / ショウジョウバエ
研究実績の概要

昨年度は、動物が多感覚を統合する能力を評価することを第一の目標とした。具体的には、糖単独刺激と糖と匂いの複合刺激に対して異なる吻伸長行動を示すようハエを学習させる、行動実験系を確立した。糖刺激装置と、複数の匂いを任意の順序で与えられる刺激装置を構築した。またこれらを操作するプログラムを書き、その動作を確認した。正確に濃度がコントロールできているかどうかは、光イオン化検出器で検証した。
ショウジョウバエは、吻もしくは足に存在する味覚受容細胞に糖を提示すると、吻を伸長する反射を示す。糖単独刺激と糖と匂いの複合刺激を提示したところ、後者に対して吻伸長行動を示す確率が有意に高いことが分かった。これによって、味と匂いの情報が脳内で相互作用することを証明できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

味覚と嗅覚の多感覚統合を調べる行動実験系を確立し、また味と匂いの情報が脳内で相互作用することを確認できたため。

今後の研究の推進方策

本年度は、学習によって糖単独刺激と糖と匂いの複合刺激を弁別できる手法を確立する。そして、その多感覚連合学習に必要な細胞や回路を同定する。候補の一つとしてキノコ体を検討する。匂いの連合学習と味の連合学習のそれぞれにキノコ体が必要であることが報告されているので、匂いと味の多感覚連合学習にもキノコ体が必要であることが予想される。続いて、糖と匂いの複合刺激がキノコ体や新たに同定された細胞でどのように表現されているかを二光子カルシウムイメージングで調べる。キノコ体の主要細胞であるKenyon細胞にカルシウム指示薬を遺伝的に発現させ、2500個全てのKenyon細胞から活動を記録する。これは、複数の感覚刺激がショウジョウバエの脳内でどのように表現されるかを示す初めての例となる。また、複合刺激の応答が単独刺激の和と異なるかどうかを解析する。

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公開日: 2016-12-27  

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