研究課題/領域番号 |
15F15390
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
石本 政男 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 次世代作物開発研究センター 畑作物研究領域, ユニット長 (20355134)
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研究分担者 |
KRISHNAMURTHY PANNEERSELVAM 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 次世代作物開発研究センター 畑作物研究領域, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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キーワード | サポニン / 生合成経路 / 突然変異 / シトクロムP450 / 配糖化酵素 |
研究実績の概要 |
1)昨年度見出した大豆サポニン組成変異系統(DDMPサポニン、C-3位の第2糖やC-22位の第1糖などを欠失した変異系統)を圃場で栽培し、後代種子でのサポニン組成を調査した。これらサポニン組成変異は後代に遺伝し、多くの組成変異系統において組成変異が固定した個体を得ることができた。しかし、いくつかの系統では固定系統を得ることができなかった。 2)特定のサポニンを欠失した変異体において生育異常が確認された。その理由として、①特定のサポニンの有無が生存に関与、②変異遺伝子がサポニン合成以外にも関与、③サポニン組成に関わる変異の近傍に生じた遺伝子変異の影響、などが考えられる。 3)C-22位の第2糖を欠失した系統を7系統見出した。このうち、6系統にはすでに同定したC-22位の第2糖配糖化酵素遺伝子に何らかの変異が確認された。また、全サポニンを欠失した変異系統のいくつかには、大豆サポニン生合成の鍵酵素であるβ-アミリン合成酵素の遺伝子に変異が見出された。 4)原因遺伝子の単離のために、見出した変異系統がホモ型である場合は、野生型品種(エンレイ)を交配してF1種子を得た。見出した変異系統が組成変異を分離する(ヘテロ型)である場合は、複数の種子を栽培し、分離集団を養成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
サポニン組成から原因変異遺伝子を予測し、その遺伝子にナンセンス変異やミスセンス変異を確認した。本研究で見出したサポニン組成変異体から、まだ見つかっていないDDMPサポニン合成酵素などを同定できる可能性は高い。一方、特定のサポニンを欠失した変異体において生育異常が確認された。サポニン生合成経路の全貌を明らかにすることにより、サポニンの生理機能に新たな知見を加えることができるものと期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
1)分離集団を用いて、サポニン組成と生育異常との関係を明らかにする。 2)遺伝解析用の分離集団を用いて、Bulked segregant法によってサポニン組成と関与するDNA多型情報を取得し、原因遺伝子の同定を進める。 3)本研究に用いたダイズ組成変異体集団は、様々な遺伝子の機能変異を包含した有用性の高い研究素材であることを論文にまとめて公表する。
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