研究課題
本研究では,前年度に引き続き,以下の検討を行った。1. Strophasterol類とchaxine類のキノコにおける普遍的な内生を証明するため,7種のキノコを入手し,エタノールで抽出した。抽出液を減圧濃縮後,ヘキサン,酢酸エチル,エタノール,水可溶部に分けた。ヘキサン可溶部と酢酸エチル可溶部をLC-MS/MSに供した。その結果,全てのキノコに,strophasterol Aとchaxine Bの内生が示唆された。また,サケツバタケ(Stropharia rugosoannulata)の酢酸エチル可能部を各種クロマトグラフィーに供し分画した。その結果,新規のstrophasterol類縁体を発見した(投稿準備中)。2. フェアリー化合物のキノコにおける普遍的な内生を証明するため,7種のキノコをエタノールで抽出した。抽出液を減圧濃縮後,ヘキサン,酢酸エチル,エタノール,水可溶部に分けた。エタノール可溶部と水可溶部をLC-MS/MSに供した。その結果,全てのキノコにフェアリー化合物が内生していることが判明した。3.キノコ発生実験の結果を指標に,ブナシメジ,ヤマブシタケ,エリンギおよびクリタケのFLから各種クロマトグラフィーを用いて,化合物の単離精製を試みた。その結果,クリタケFLから新規化合物を発見した。4. Strophasterol類,chaxine類,フェアリー化合物,FL類化合物を対象に,ヤマブシタケ,ブナシメジ,エノキタケ,マツタケおよびサナギタケなど菌株を用いて,恒温恒湿のキノコ栽培室で,子実体形成に対するバイオアッセイをシャーレやポットを用いて行った。その結果,フェアリー化合物にマツタケの菌糸の成長を促進する活性を見出した(投稿準備中)。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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日本きのこ学会誌
巻: 25 ページ: 141-144
J. Nat. Prod.
巻: 80 ページ: 2561-2565
10.1021/acs.jnatprod.7b00484