研究課題/領域番号 |
15F15394
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大日向 耕作 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (00361147)
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研究分担者 |
KARIM MD REZAUL 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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キーワード | 神経経路 / 生理活性ペプチド / 情動調節 / 摂食調節 / ショウジョウバエ |
研究実績の概要 |
生体内には数多くのペプチドホルモンや神経ペプチドが存在し多彩な生理作用を示すことが明らかとなっている。これらは前駆体タンパク質の酵素消化により分解され、活性型になることが知られている。これまで我々は、このような前駆体タンパク質と見なされていなかった食品タンパク質を酵素分解して得られた消化物から多彩な生理活性ペプチドが生成することを発見した。特に最近、マウス行動試験により抗不安様作用(精神的ストレス緩和作用)や抗うつ様作用(意欲向上作用)を示す食品由来、すなわち外因性の生理活性ペプチドを数多く見出している。中には、医薬品に匹敵する低用量で、かつ、経口投与で有効な生理活性ペプチドが存在することを明らかにしている。また、経口投与により食欲抑制作用や逆に食欲促進作用を示すペプチドも見出している。さらに本研究課題では、これらの外因性の神経調節ペプチドの作用機構について神経回路学的に解明することを目標とする。 本年度(約3ヶ月)は、ショウジョウバエ研究に必要な装置と試薬を購入し、生理活性ペプチドの情動行動や摂食行動に及ぼす影響を評価する実験系を立ち上げた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ショウジョウバエ研究に必要な装置と試薬を購入し、生理活性ペプチドの情動行動や摂食行動に及ぼす影響を評価する実験系を立ち上げた。
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今後の研究の推進方策 |
マウスにおいて神経調節作用を示す生理活性ペプチドがショウジョウバエにおいてどのような行動変化を示すのかを検討する。薬理学的検討により作用経路を解明する。マウスでは、多くの情動調節ペプチドはGABAニューロンに、摂食ペプチドはNPYニューロンに作用することから、これらのニューロンに着目する。 また、ショウジョウバエでは、細胞特異的な発現パターンを有するGAL4エンハンサートラップ系統を使用することにより、膨大な神経細胞のごく一部をラベル化し、特定の遺伝子をノックダウン、または過剰発現することができる。本システムを用いて、外因性の生理活性ペプチドの作用を抑制あるいは増強するニューロンを特定し、作用点を明らかにする。
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