研究実績の概要 |
平成27年度は、細胞性免疫において重要なサイトカインであるインターフェロンγ(IFNγ)及びインターロイキン12(IL-12)の組み換え体及び抗体の作製法、並びに免疫磁気法によるT細胞サブセットの分離法を修得することを目的とした。 1.ギンブナには哺乳類と相同なIFNγに加えて、魚類特有のIFNγ(IFNγrel)が存在する。しかも、コイ科魚類にはIFNγ及びIFNγrelには2種類のアイソファームが存在し、併せて4種類のIFNγ(IFNγ1, IFNγ2, IFNγrel1, IFNγrel2)が存在する。既に滞在している研究室において、これらの4種類のIFNγについて組み換え体及び抗体が作製されており、共同研究者の指導の下に、組み換え体の作製法及び抗体の精製法を修得した。 2.IL-12は、p35及びp40の2量体から構成されている。しかも、p40には4種類のアイソフォーム(p40A, p40B, p40C1, p40C2)が存在する。そこで、先ず、p40より4種類のアイソフォーム遺伝子を単離し、p35及びp40の4種類のアイソフォーム遺伝子をHela細胞に共発現させることに成功した。しかし、p40Bの発現が弱く、p35及びp40の2量体形成についてはまだ確認できていない。 3.免疫磁気法によるT細胞サブセット分離の予備実験として、モノクローナル抗体を用いた免疫染色によるCD4陽性ヘルパーT細胞及びCD8陽性細胞障害性T細胞の解析法を修得した。
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