研究課題/領域番号 |
15F15418
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山下 潤 京都大学, iPS細胞研究所, 教授 (50335288)
|
研究分担者 |
LOPEZ DAVILA VICTOR 京都大学, iPS細胞研究所, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2015-11-09 – 2018-03-31
|
キーワード | ヒトiPS細胞 / 組織構築 / 心毒性 / 力学的特性 / 細胞・組織モデル |
研究実績の概要 |
ヒト in vitro 心臓モデルを用いた心毒性評価システムの構築に関して、従来の不整脈誘発のみならず、心臓の力学的特性・収縮力に及ぼす作用を評価する新しい実験系の構築を行う。特別研究員の有する3D 組織培養の経験とノウハウを応用しながら、力学的測定が可能なレベルの強固な組織構築と収縮力測定法の開発を行う。具体的には、ヒト iPS 細胞由来3D 心臓組織を動物由来組織等と比較しながら原子間力顕微鏡等を用いてその力学特性を評価する。構築した3D 組織の再生医療応用のみならず、疾患 iPS 細胞由来心筋も含めた様々な病態モデル構築と創薬応用に広く応用可能なリサーチプラットフォームを提供できる。 本年度は、力学的測定が可能なレベルの強固な組織構築 研究代表者の有するひとiPS細胞の心血管細胞分化誘導技術と細胞シート化・積層化技術を用いて力学的測定が可能な強度の組織構築を試みた。また、ルイビル大学との共同研究下に開発中のヒトiPS細胞を用いたECT (Engineered cardiac tissue)技術も導入を試みた。 その結果、ヒトiPS細胞から心筋・内皮・壁細胞の3種類の細胞を含む混合細胞の誘導、同細胞のシート化、積層化に関して、受入研究室にて樹立された技術を習得した。さらに、細胞シートに伸展刺激を負荷可能にするために、新しい細胞-計測機器インターフェースの開発を行い、積層化した細胞シートに対して持続的反復的伸展刺激を負荷することに成功した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成27年11月末に来日しその後4ヶ月に過ぎない本年度であるが、日本及び研究室生活に非常に良く順応し、iPS細胞の培養法、分化誘導法、シート作製法を迅速にマスターし、さらに新たな伸展刺激負荷法の開発まで開始しており、十分に当初計画を上回って順調に研究を進めていると評価できる。
|
今後の研究の推進方策 |
ヒトiPS細胞由来心臓組織を用いた収縮力測定法の開発 平成27年度から開発しているヒトiPS細胞由来心臓組織を用いて、その収縮力・力学特性の測定を可能とする。収縮力、弾性、張力等を画像解析装置、張力測定装置等を用いて測定する。
|