研究課題
ストライガはハマウツボ科に分類される寄生植物である。ストライガによる農業被害はアフリカにおいて特出している。特にStriga hermonthicaは、モロコシやトウモロコシ、イネなどの主要な穀物の根に寄生し甚大な被害を出しており、主にアフリカの半乾燥地域を中心に感染領域約40万km2、年間被害額推定1000 億円といわれる。ストライガはソルガムやトウモロコシのような穀物に寄生するが、非常におもしろいことに、同じハマウツボ科の寄生植物であるコシオガマには寄生できない。ストライガはコシオガマを認識し、その根に向かって根をのばし接触を試みる。しかし、通常の宿主の根であればストライガは接触後すぐに感染器官である吸器を形成し侵入を開始するのに対し、コシオガマに対しては吸器を形成せず、根を伸ばし続け宿主から離れる。これはハマウツボ科の植物には自らの根に対しての侵入を防ぐシステム(Autoparasitisim Avoidance, APA)を持っていることを示唆している。本研究では、分子解析基盤を既に確立したコシオガマにおいてAPA能を欠いたAPA変異体を単離した。同時に、イギリスでSaucet博士が開発に関わってきたGolden Gateシステムと、ゲノム編集新技術であるCRSPRシステムを組み合わせ、Agrobacterium rhizogenesを用いて、コシオガマに導入する系を確立した。また、研究対象の遺伝子群としては細胞外に分泌されるセリンプロテアーゼであるサブチラーゼをコードする遺伝子群を中心に解析を進めた。サブチラーゼ遺伝子群を単離し、シークエンスを確認した。また、このサブチラーゼ遺伝子群はストライガとコシオガマの両者において、寄生時にその発現が高くなることが確認された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)
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http://plantimmunity.riken.jp/index_ja.html
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