研究課題/領域番号 |
15F15770
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
南澤 孝太 慶應義塾大学, メディアデザイン研究科(日吉), 准教授 (10585623)
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研究分担者 |
OUTRAM BENJAMIN 慶應義塾大学, メディアデザイン研究科(日吉), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2015-10-09 – 2018-03-31
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キーワード | バーチャルリアリティ / クロスモダリティ / マルチモーダルインタフェース / 視線計測 |
研究実績の概要 |
本年度の研究においては,バーチャルリアリティや拡張現実感の分野におけるメディア体験や遠隔コミュニケーションのための触覚を含む多感覚のクロスモダリティの利活用を試みた.外国人特別研究員の受け入れ機関である慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 Embodied Media Project で開発された全身触覚スーツ「Synesthesia Suit」を利用し,コンピュータグラフィックスによる3次元VR空間,3次元空間音響,そして全身に付与される様々な触覚体験を統合したコンテンツを制作し,「VR Sound World」及び「Crystal Vibes」として,SIGGRAPH 2016, UIST 2016, AsiaHaptics 2016などの国際会議で発表した.さらにこれらの学術会議の場のみならず,東京ゲームショウ,ドバイ国際映画祭,サンダンス国際映画祭など,国内外のコンテンツ産業における一流の展示会において招待作品として招聘され,それぞれ参加者が全身の触覚体験を伴う多感覚没入型コンテンツとして体験可能な形で展示を行い,報道メディアやクリエイター,一般参加者などから大きな反響を得た. またバーチャルリアリティ環境における視線計測の新たな形での利活用についても研究を進めており,HMD(ヘッドマウンテッドディスプレイ)に視線計測機能を組み込んだシステムを新たに開発し,視線を向けるだけでVR空間内でのシームレスな空間移動を可能とするインタフェース「AnyOrbit」として,国際会議SUI2016において発表し,Best Poster Awardを受賞した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
バーチャルリアリティ環境における新たなユーザインタフェースやメディア体験について,クロスモダリティの観点及び視線入力インタフェースの観点から研究を進めており,それぞれ国際会議への採択や受賞など,顕著な研究成果が出ている.また得られた知見を利用したメディアアート作品としての展開においては,複数の国際映画祭への招待出展を受けるなど,基礎研究の枠を超えた当初の計画以上の顕著な成果が出ているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となるH29年度は,これまで得られた知見をバーチャルリアリティのみならず拡張現実環境や360度実写映像のリアルタイム配信環境においても適用し,より実用的な技術基盤として完成させることを試みる予定である.
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