研究課題/領域番号 |
15F15792
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
服部 克巳 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60244513)
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研究分担者 |
GENZANO NICOLA 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2015-11-09 – 2017-03-31
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キーワード | 衛星リモートセンシング / 地震災害軽減 / 熱赤外データ / 気象衛星 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は衛星で観測された熱赤外異常や温度異常と火山や地震活動との関連を調査研究することである。まず、イタリアのグループが開発した手法(RST法)と服部のグループは開発した手法との比較をイタリア・ラクイラ地震で行ったところ,両者ともほぼ同様な傾向を示すことがわかった。次のステップとして、RST法による地震活動に関連する異常検出アルゴリズムを日本地域に適用している。解析に使用した衛星データは気象衛星(ひまわり)で、8-14マイクロメーターの波長が研究対象である。2016年3月末現在、2005年7月から2015年12月までの11年間のRST法によるデータ解析が進んでいる。現在マグニチュード5以上の地震とRST法によって検知された衛星熱赤外異常との時空間的相関を統計的に調査中である。予察的な結果として、3700以上の解析シーンのうち60シーンに有意な熱赤外異常が検知され,そのうちの61.7%はマグニチュード5以上の地震発生日の2週間前から1週間後に検知されていることがわかった。現在詳細な検討を行っているところである。これらの研究成果は2016年4月に開催される欧州地球科学連合の総会や5月の日本地球惑星圏学会連合大会等で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2005年7月から2015年12月までの11年間の気象衛星データ(ひまわり6号および7号)のRST法によるデータ解析がほぼ終了している。現在マグニチュード5以上の地震とRST法によって検知された衛星熱赤外異常との時空間的相関を統計的に詳細に調査中である。予察的な結果として、3700以上の解析シーンのうち60シーンに有意な熱赤外異常が検知され,そのうちの61.7%はマグニチュード5以上の地震発生日の2週間前から1週間後に検知されていることがわかった。現在詳細な検討を行っているところである。これらの研究成果は2016年4月に開催される欧州地球科学連合の総会や5月の日本地球惑星圏学会連合大会等で発表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
日本地域においても衛星熱赤外異常と地震との統計的な有意な相関が期待できる解析結果が得られつつある。衛星熱赤外異常と電離圏データや地磁気データ等服部研究室で地震との有意な相関が確認されているパラメータとの比較検討を実施する。また、普遍性と複数のパラメータとの融合に関する調査研究を行う。さらに地震に関連する地圏ー大気圏ー電離圏結合の観測学的検証を実施する。また、地震との相関が認められれば、ひまわり8号への適用とリアルタイム監視を実施する。
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