研究課題/領域番号 |
15GS0204
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
はま口 宏夫 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (00092297)
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研究分担者 |
岩澤 康裕 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (40018015)
岩田 耕一 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (90232678)
佐藤 伸 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (60313201)
加納 英明 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (70334240)
田原 太平 理化学研究所, 分子分光研究室, 主任研究員 (60217164)
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キーワード | 時間分解分光 / 空間分解分光 / 時空間分解分光 / ラマン分光 / 非線形ラマン分光 / 顕微分光 / フォトニッククリスタルファイバー / 酵母生細胞 |
研究概要 |
ピコ秒Ti:Sappireレーザー/再生増幅器システム/光パラメトリック増幅器/紫外・可視波長変換ユニットから構成されるピコ秒時空間分解ラマン分光システムを用いて、イオン液体中のtrans-スチルベンの光励起ダイナミクスを観測し、溶質分子周辺のナノスケールのイオン液体構造に関する知見を得た。上記レーザーシステムを用いた、紫外・可視励起ピコ秒時間分解赤外分光システムの製作を継続して行い、光源の安定度、検出系の雑音などの基礎的データを取得した。次世代型ナノ秒時間分解赤外分光システムの開発をさらに進め、従来の装置に比べて2ないし3倍の分光効率を達成した。同時に、測定範囲を10000cm-1にまで拡張し、ベンゾフェノン分子のT-T近赤外吸収の全波形を観測することができた。フェムト秒顕微非線形ラマン分光システムの開発をさらに推進し、分裂酵母の生細胞の分裂過程を時間分解して観測することに成功した。ハイパーラマン散乱における分子近接場効果を見出し、この現象が、プローブである・-カロテン分子の近傍に存在する分子のみを選択的に検出する「光ナノ空間ラベリング」の目的に極めて有効であることを示した。コヒーレントアンチストークスラマン散乱信号の空間分布を観測することによって、液体や溶液中に存在する部分構造の大きさをプローブする新しい非線形分光法の有用性を確認し、イオン液体やアルコール/水系などの局所構造に関する極めて興味深い新実験結果を得た。長時間画像撮影が可能な共焦点顕微ラマン分光装置により、出芽酵母の液胞中の"dancing body"の出現が、細胞の自然死と強く関連すること、また"dancing body"の出現と"生命のラマン分光指標"の消滅が同時に起きることを明らかにした。
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