研究課題/領域番号 |
15GS0216
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研究種目 |
学術創成研究費
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 (2004-2007) 東京都立大学 (2003) |
研究代表者 |
山下 正廣 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60167707)
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研究分担者 |
米満 賢治 自然科学研究機構, 分子科学研究所, 准教授 (60270823)
岡本 博 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40201991)
加藤 昌子 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80214401)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2007
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キーワード | 三次非線形光学効果 / 強相関電子系 / 電子・格子系 / パイエルス転移 / ナノワイヤー / モット絶縁体 / ファスナー効果 / 超高速光通信 |
研究概要 |
Pd(II)-Pd(IV)パイエルス絶縁体⇔Pd(III)モット絶縁体逆パイエルス転移を示す錯体の合成とPd(III)モット絶縁体基底状態の合成に成功 ハロゲン架橋ナノワイヤーPd錯体は電子相関より電子・格子相互作用が強いためにこれまですべてのPd錯体においては架橋ハロゲンが金属間中央からずれたPd(II)・Pd(IV)パイエルス絶縁体状態であった。例外は一個もなかった。今年度はこれまで例のないPd(III)モット絶縁体を実現するために、カウンターイオンに長鎖アルカンスルフォン酸イオンを用いたところ、炭素鎖が5個の場合に200K付近でPd(II)-Pd(IV)パイエルス絶縁体がPd(III)モット絶縁体に逆パイエルス転移をすることを見いだした。アルキル鎖の長さを10個以上にすると室温で基底状態がPd(III)モット絶縁となった。これらは世界で初めての現象である。原因は長鎖アルキル間の化学的圧力(ファスナー効果)のためである。200K近くに相転移をする化合物を用いてフェムト秒分光で光誘起相転移に関する実験を行った。低温相のPd(III)モット絶縁体状態に電荷移動吸収帯のピークに対応する光を照射するとPd(II)・Pd(IV)パイエルス絶縁体に相転移をした。一方、電荷移動吸収帯よりもずっと高いエネルギーの光で励起すると金属相へと相転移をした。また、これらの緩和はフェムト秒レベルであり、超高速光通信への展開が期待される。
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