研究課題/領域番号 |
15GS0217
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
高山 健 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (20163321)
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研究分担者 |
和気 正芳 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 准教授 (90100916)
山根 功 , 名誉教授 (50013769)
作田 誠 岡山大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40178596)
堀岡 一彦 東京工業大学, 大学院・総合理工学科, 教授 (10126328)
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キーワード | 誘導加速 / シンクロトロン / スイッチング電源 / スーパーバンチ / 全種イオン加速 / スーパーバンチハドロンコライダー |
研究概要 |
KEK12 GeV加速器を用いて、誘導加速装置で発生させるパルス電圧を利用した新しいシンクロトロン(誘導加速シンクロトロン)の原理を2006年までに実証出来ていた。しかし、KEKの12GeV陽子シンクロトロンが2006年3月末で運転を終了した。当初は開発した誘導加速システムを海外のハドロン円形加速器に持ち込むというと云う計画があったが、限られた予算とマンパワー、該当する研究所の都合を考慮して、この計画を変更した。開発した誘導加速システムをKEKの500MeVブースターを入射器を用いない全種イオン加速器に改装して実現するスーパーイオンバンチの応用を検討した。 このために必要な誘導加速シナリオの構築を計算機シミュレーションによって行なった。既存誘導加速セルを必要な長パルスの誘導加速セルへ改装した。模擬ビーム信号を使って改装した誘導加速セルの性能を確認した。 又、全種イオン加速器のイオン源の開発を実施し、永久磁石を用いた9.4GHz ECRイオン源を手作りした。プラズマ生成用のマイクロ波導入の最適条件、Arガスパラメーターの把握など基礎データ取得を行った。又、超低エネルギーイオンから高速イオンまでの加速器に伴う、ビーム物理上の課題(残留磁場による閉軌道の補正、低エネルギーイオンと残留ガスとの相互作用によるビームロス、渦電流によるエラー磁場の影響)を検討し、補正法の構築、真空度改善の条件を見出した。 全種イオン加速器が供給するイオンは、ガン治療、新機能材料創出、地球温暖化対策としての穀物品種改良、高温高密度科学と幅広く応用が期待されるので、国内のこの分野の研究者との協議を続け、利用者側が要求するイオン種、エネルギー、ビーム強度を把握しながら、今後のイオン源開発のシナリオを作った。
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