研究課題/領域番号 |
15GS0308
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
近藤 孝男 名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (10124223)
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研究分担者 |
岩崎 秀雄 早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (00324393)
小山 時隆 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助手 (30324396)
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キーワード | 概日時計 / シアノバクテリア / 遺伝発現リアルタイムモニター / 包括的遺伝子発現制御 / DNAチップ / システム生物学 |
研究概要 |
本研究ではシアノバクテリア(Syechococcus elongatus PCC 7942)で概日時計を中心としたシステムを解明することを目指している。今年度は昨年発見した試験官内での概日時計再構成系を中心に解析を行い、以下の成果をえた。 Kai蛋白質による振動発生の生化学的解析 1)試験管内でのKaiCのリン酸化サイクルにともなうKaiAおよびKaiBの動きを解析し、KaiAとKaiBが細胞内と同様にKaiCのリン酸化を制御していることを明らかにした。またKaiCのヘキサマー間でモノマーの交換が行われることを見いだした。 2)KaiCのリン酸化を2つのリン酸化サイトを分別して解析することに成功し、この2つのサイトのリン酸化が他方を制御するごとが振動発生に重要であることを示した。 3)KaiCのリン酸化サイクルにともなうATPの消費を解析し、KaiCが微弱であるが温度補償されたATPase活性をもつことを明らかにした。さらにこの活性は時計の速度と比例していることを見いだし、24時間周期の生化学的基礎を明らかにした。 4)KaiCヘキサマー間での同調機能があることを発見し、これが安定したKaiCのリン酸化サイクルに必須であることを示した。 KaiCによる遺伝子発現機構の解析 KaiC蛋白質による遺伝子発現抑制機構に必要な因子として新規の遺伝子labAを発見し、その機能を遺伝学的に解析した。その結果、LabAはSasAと相補的な関係でKaiC蛋白質による遺伝子発現抑制に機能していることを解明した。 生物発光包括的遺伝子発現リアルタイム解析 昨年、ほぼ完成した全ORFに対するセットを発光レポーターシアノバクテリアに導入し、発光リズムの解析を進めた。これまでに半数程度の遺伝子のデータが得られており、今後最終年度に向けて、測定を進めている。
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