◎【研究目的】 本研究では、「知識基盤社会」において「郷土」の文化・伝統について再認識することは、「他者や社会、自然環境」と共に生き、変化に対応できる「主要能力」を積極的に育むことにつながるという前提のもと、「地域教育資源」の教育現場での活用を試み、普遍的教材化をめざす。併せて、高校生に地域共同体の「善」の機能に着目させ、現代社会に生きるための「道徳的基盤」を考察させるとともに、伝統的言語文化を享受・継承・発展させる態度を深めさせることを目的とする。 ◎【研究方法】 研究期間を前後期で区切った。前期において〈研究推進の体制〉の整備を行った。そして、〈研究開発の実践〉-〈公開講座・公開授業〉-〈成果報告-実践の検証・修正〉を1サイクルとして実施した。 ・「地域教育資源」としての教材化は、坪田譲治・黒島傳治・夏目漱石(間接的縁故-小川未明・新美南吉)の各作品について試行した。また、公開授業においてはアクティブラーニングを取り入れた学習を試みた。 ・後期の公開授業においては受講者の興味関心を配慮し、「サブカルチャー的」題材を教材化し随時取り入れ、共同体のあり方の長・短所を確認させ、現代社会の「道徳的基盤」を検証させた。併せて高等学校における「規範意識」の具体的想起を促した。 ○前期(4~9月)-公開講座3回、公開授業1回、オープンスクール模擬授業1回(内2回文芸部3年と協働)。なお、公開講座は県立図書館で開催。 *第3回公開講座を利用して、前期研究授業、公開講座のまとめと後期に向けての計画検証を含めた報告会を行った。 ○後期(10~3月)公開講座2回、文化祭ミニ講演会1回、公開授業1回、他講師との協働による試行授業1回、他団体とのコラボ講演会で特任講師として講演。 *第5回公開講座で総括-『郷土を愛する心を育てる-地方創生』」 ◎【研究成果の普及方法等】 成果中間報告会・成果報告会等を公開講座中に行った。併せて、他研究団体との共催で講演会を開催した。
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