1. 背景 木造建築物において、部材の接合には継手・仕口が用いられてきたが、近年では社寺仏閣など特殊な例を除き、継手・仕口が用いられることは少なく、また種類も限られており、知識・技術の継承が課題となっている。また、それらは規矩術と呼ばれる図法で表わされている場合が多く、図面の理解が難しい。 2. 研究目的 初学者(学生等)にとって、視覚的に理解しやすい木造継手・仕口の教材の試作を行う。(1)図面の読み取り(2)図面の製作(3)縮小模型の加工を行える教材を試作する。またこれらの教材を用いて図面理解から製作まで一貫した教育プログラムも想定する。 3. 研究方法 下記(1)~(3)の教育プログラムを想定し、それに必要な成果物を製作した。(1)まず、規矩術で表わされた図面から実物(立体)をイメージ出来るように模式動画(アニメーション)を製作した。(2)次に3DCADを用いて図面を製作した。(3)そのCAD図面を3Dプリンタ対応のデータに変換し、樹脂製縮小模型を製作した。縮小模型はヤスリ等で形状の微調整が可能であり、部材同士のかみ合せや加工の検討を行った。 4. 研究成果 継手・仕口の図面理解のために、3DCAD図面や、自身が製作した図面からの縮小模型を用いた。そうすることで視覚的に分かりやすい図面理解や立体物の把握に繋がった。今回は試作のため、今後は実際に使用してもらいフィードバックを行うなどしていきたい。
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