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2015 年度 実績報告書

NeedlExによる血中シアン化水素の簡易迅速分析法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 15H00417
研究機関茨城県警察本部科学捜査研究所

研究代表者

石綿 鉄也  茨城県警察本部科学捜査研究所, 公務員

研究期間 (年度) 2015
キーワードシアン化水素 / NeedlEx
研究実績の概要

【研究目的】
シアン化合物はメッキ等で広く用いられる関係で入手しやすく、猛毒のため自他殺に用いられることが多い。また、火災時にはシアン化水素(HCN)が発生することはよく知られており、一酸化炭素以外の中毒死の原因といわれているため、血中のHCNを簡便・迅速に分析することは、中毒原因や死因究明に重要である。そこで本研究では、シアン化合物水溶液(CN液)を酸性にして発生するHCNを直接捕集して濃縮できる注射針NeedlExを開発することにより、ガスクロマトグラフ(GC)による簡単迅速分析法を検討し、救急救命や死因究明に役立てることを目的とした。
【研究方法】
NeedlExはルアーロック式注射針中に濃縮媒体を充填した試料濃縮用注射針で、検知管用ガス採取器に付属のテフロンチューブを用いて装着し試料ガスを吸引するという簡便な操作で吸着・濃縮を行うことができる。濃縮が終了したNeedlExをガスタイトシリンジに取り付け、GCの注入口に挿入することで吸着した試料を脱離させGC分析できる。本研究では、HCN用のNeedlExを試作し、CN液をバイアル瓶にいれ密栓した後、リン酸を加えて発生するHCNを効率よく濃縮できるNeedlExの検討を行った。また、濃縮時の温度、平衡時間の検討も行った。
【研究成果】
既存のNeedlEx(有機溶剤用、トリメチルアミン用、脂肪酸用、石油用、アルコール用)ではHCNの濃縮効率が高くなかったため、新たにHCNに対して濃縮効率のよいNeedlExを検討したところ、濃縮媒体にリン酸をコーティングした活性炭を用いたものが最も良い濃縮効率が得られ、ヘッドスペース(0.5mL)の分析と比較して約6倍の濃縮効果があった。また、濃縮時のバイアルの温度は室温でも問題なく吸着され、リン酸を加えてからの平衡時間をとらなくても濃縮効率に違いは無いことがわかった。このことから、加熱器などの器具を使用することなく、迅速にHCNを濃縮、分析することができるようになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] NeedlExによるシアンの濃縮・分析方法の検討2016

    • 著者名/発表者名
      石綿鉄也
    • 学会等名
      第30回日本中毒学会東日本地方会
    • 発表場所
      昭和大学(東京都)
    • 年月日
      2016-01-23

URL: 

公開日: 2016-12-27  

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