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2015 年度 実績報告書

脳虚血病態時におけるヒト中枢神経系シトクロムP450の機能解析研究

研究課題

研究課題/領域番号 15H00481
研究機関信州大学

研究代表者

小澤 秀介  信州大学, 医学部附属病院, 薬剤師

研究期間 (年度) 2015
キーワード薬物代謝酵素 / 中枢神経系 / 脳虚血
研究実績の概要

本研究では、in vitroにおける脳虚血モデルとして汎用されている低酸素低グルコース負荷(Oxygen Glucose Deprivation : OGD)モデルを構築し、中枢神経細胞に虚血様負荷を与えた際のCYP分子種の発現変動について検討を行った。
【研究方法】
今回、アストロサイトモデル細胞としてMOG-G-CCM細胞およびU-87MG細胞、ニューロンモデル細胞としてSH-SY5Y細胞を用いて以下の解析を行った。
1、OGDモデル作成およびOGDモデル妥当性の検討
各種神経細胞をプレートに播種した後、約24時間後に培地を除き、コントロール培地(グルコース含有)またはOGD培地(グルコース不含)を添加した。OGD群のプレートは脱酸素剤、嫌気指示薬の入ったアネロパック角型ジャーの中に入れ、CO^2インキュベーター内で5時間培養した(OGD処理)。一方、コントロール群のプレートはそのままCO^2インキュベーター内で5時間培養を行った。OGD群およびコントロール群ともに通常培地へ戻し培養した。また、OGDモデルの妥当性を検討する目的で、OGDのマーカータンパク質である低酸素誘導性因子HIF-1α(hypoxia-inducible factor-1α)の発現誘導をwestem blotting法により解析した。
2、OGDモデルにおける中枢神経系CYPの発現変動
OGD処理後の各種神経細胞を回収し、RNA抽出、逆転写反応および一本鎖cDNA合成を行った。その後、リアルタイムPCRを行い、CYP分子種(CYP1A1、1B1、2B6、2E1、2J2、46A1)のmRNA発現について定量解析した。
【研究成果】
OGD処理により、いずれの神経細胞においてもHIF-1αタンパク質発現量が上昇した。MOG-G-CCM細胞では、CYP1A1およびCYP1B1の発現が有意に抑制された。U-87MG細胞では、CYP1B1およびCYP2J2の発現が有意に抑制された。一方、SH-SY5Y細胞では、各種CYP分子種の発現量に変化は認められなかった。
上記結果より、アネロパックを用いた低酸素負荷を神経細胞に与えることが出来たことが示唆された。そして、OGD処理によって、神経細胞でのCYPIAI、1B1、2J2mRNA発現量が変化する可能性が示された。さらに、ニューロンおよびアストロサイトにおいて、OGD処理によるCYP1B1の発現応答性が異なる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ヒト神経細胞株におけるシトクロムP450の発現プロファイルと薬物応答性の解析2016

    • 著者名/発表者名
      小澤 秀介
    • 学会等名
      日本薬学会第136年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      2016-03-27

URL: 

公開日: 2016-12-27  

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