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2015 年度 実績報告書

ダビガトランの出血リスクにおよぼすP-糖蛋白阻害剤の併用および腎機能の影響

研究課題

研究課題/領域番号 15H00576
研究機関筑波大学

研究代表者

横田 裕之  筑波大学, 附属病院薬剤部, 薬剤師

研究期間 (年度) 2015
キーワードダビガトラン / P-糖蛋白阻害剤 / 腎機能
研究実績の概要

【研究目的】ダビガトラン(プラザキサ®)は、心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制を目的として広く使用されている。プラザキサ®カプセルの添付文書によると、中等度腎障害(クレアチニンクリアランス30-50mL/分)のある患者あるいはP-糖蛋白阻害剤を併用している患者では、ダビガトランの血中濃度が上昇し、出血のリスクが高まるおそれがあるため1回110mg1日2回投与へ減量する。しかし、中等度腎障害のある患者に対してP-糖蛋白阻害剤を併用する場合の適切な投与量は明らかとなっていない。そこで本研究では、ダビガトランを服用している患者における出血等の有害事象の発現や、P-糖蛋白阻害剤の併用および腎機能が血液凝固能におよぼす影響を調査し、出血リスクの観点から適切な用量選択を検討することを目的とした。
【研究方法】筑波大学附属病院においてダビガトランとP-糖蛋白阻害剤(アミオダロン、ベラパミル)を併用していた患者97名を対象とし、中等度腎障害患者(腎障害群、14名)と腎機能正常患者(正常群、83名)におけるダビガトランの投与量や活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)を比較した。
【研究成果】ダビガトランとP-糖蛋白阻害剤を併用している患者のうち220mg/日以下に減量されていた患者は、腎障害群と正常群でそれぞれ13名(93%)と57名(69%)であった。減量患者の割合が高いにもかかわらず、腎障害群のaPTTは正常群と比較して有意に延長していた(53.1±14.9vs42.3±10.3秒, P=0.03)。aPTT延長による出血リスクの高い患者は腎障害群で多くみられたことから、これらの患者ではさらなるダビガトランの用量調節が必要と考えられた。

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公開日: 2016-12-27  

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