• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

文章自動要約による点字用の文章生成の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15H00673
研究機関神戸大学

研究代表者

関口 篤史  神戸大学, 医学部附属病院, 特命技術員

研究期間 (年度) 2015
キーワード点字翻訳 / 自動変換規則 / 構文解析
研究実績の概要

当院は視覚障害の患者向けに情報を点字で提供する情報保障に取り組んでいる。点字翻訳での問題は、(1)同音異義語や受け身と敬語の判別が困難であり、(2)点訳時は漢字仮名混じり文よりも文字数が数倍に増加すること、である。本研究の目的は、(2)の文字数増加へ対処するため、点訳前の文章を自動変換することであり、我々が研究開発した自動点字翻訳プログラムと連携して点訳プロセスの全自動化を最終目標としている。
これまでに、前述の(1)の判別困難な単語を自動変換する規則を実装したプログラム開発に取り組んできた。本研究では、これに追加する規則を検討するため、文章要約研究の方法論を病院の医療文書に適応すべく構文解析を実施した。解析対象は、当院の外来案内と入院案内の漢字仮名混じり文から作成された、晴眼者向けの文章(原文)と人手で点訳用に簡略化した文章(点字文)の組とした。そしてこれらの文章を係受け解析ソフトCaboCha(https://taku910. github. io/cabocha/)で解析し比較した。その結果、文節の総計は外来案内の点字文は原文の約89%に、入院案内の点字文は原文の約79%に減少しており、1文中に含まれる文節数も点字文の方が平均1.5文節減少していた。文章の具体例を調べたところ、点字文では文節単位で削除される傾向が見られ、文節数減少の理由の一つと考えられた。係受け関係を持つ文節間の距離の比較では、原文と点字文のいずれも約80%が1~2文節の距離であったが、10文節以上離れている事例は原文の方が点字文より多い傾向が見られた。今後、更に解析を進めて文圧縮の有効性などを検討し、今回の結果と併せて変換規則に一般化しプログラムに実装していきたい。
なお、本研究の成果を第16回日本クリニカルパス学会学術集会で発表し、座長賞を共同受賞した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 視覚障害の患者向け点字用文章表現への自動変換の研究2016

    • 著者名/発表者名
      高岡 裕、関口篤史、関口紗代、梅田由紀恵、前田英一、池上峰子、松浦正子、菅野亜紀
    • 雑誌名

      日本クリニカルバス学会誌

      巻: 18 号: 1 ページ: 46-49

    • 査読あり
  • [学会発表] 患者用クリニカルバスの点字文章自動生成実現ののための構文解析2015

    • 著者名/発表者名
      菅野亜紀、関口篤史、大田美香、池上峰子、松浦正子、前田英一、高岡 裕
    • 学会等名
      第16回日本クリニカルバス学会学術集会
    • 発表場所
      東京ベイ舞浜ホテル(千葉県)
    • 年月日
      2015-11-14

URL: 

公開日: 2016-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi