研究課題/領域番号 |
15H01679
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
橋本 昌宜 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (80335207)
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研究分担者 |
伊藤 雄一 大阪大学, 情報科学研究科, 招へい准教授 (40359857)
廣瀬 哲也 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (70396315)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | センサノード / 実世界ユーザインタフェース / 無線給電 |
研究実績の概要 |
小型センサノードに向けた無線給電技術の確立に向け、送受信アンテナの設計、整流回路、そして低消費電力集積回路設計技術に関する検討を行った。一般に送受信アンテナの設計においてインピーダンスマッチング回路が用いられる。本研究では、付加的なインピーダンスマッチング回路を用いることなく最大効率を実現するアンテナ設計手法を検討した。送受信アンテナに負性インダクタを導入することで、送信部、共振部、そして受信部の各機能ブロックに分割し、最大電力を導出可能な設計方式を開拓した。整流回路に関する検討においては、受信アンテナから負荷側を見込んだインピーダンスの理論導出を行い、接続様態に応じてインピーダンス制御が可能であることを見出した。 無線通信、測距技術については、立法mm級の磁界通信と電界測距が両立できるアンテナを提案した。提案アンテナは二つのスパイラルコイルから構成されており、各モードでコイルアンテナと2つの電極として利用できる。アンテナをプロトタイプ試作し、通信モードのS21を評価したところ、6mmから24mmの範囲で-8.3 dBから-45.1 dBであった。また、ASK/OOK通信が可能であることを実機で確認した。また、測距モードではcm級の測距が可能であることを確認した。 さらに、超小型無線送信機の開発を進めた。専用のアンテナを用いなくても発振器に含まれるコイルが生成する磁界を用いて、数mの距離で無線通信が可能であることを確認した。専用アンテナを用いないため、部品点数が少なく、個別部品を用いても立法mm級のプロトタイプ実装が可能となった。 さらに得られた距離情報からノード位置を推定する手法をGPUを用いて高速化した。従来の80CPUを用いた実装に比べて61.5倍の高速化を達成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各要素技術の完成度が高まってきている。各要素技術の統合に今後は注力する。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに明らかにした無線給電技術に向けたアンテナ設計手法、整流回路設計技術、そして超低消費電力で動作する要素回路技術を統合し、無線給電技術とその応用に向けたプロトタイプ設計・評価・実装を行う。さらに無線通信技術、測距技術を集積し、センサノードデバイスを試作する。その上で、試作したセンサノードデバイスを用いたシステム性能評価を行う。
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