研究課題/領域番号 |
15H01697
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北村 喜文 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (80294023)
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研究分担者 |
枦 修一郎 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (90324285)
高嶋 和毅 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (60533461)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | モーションキャプチャ / センサ / バーチャルリアリティ / オーグメンテッドリアリティ / 拡張現実 / 3次元インタフェース |
研究実績の概要 |
複雑な3Dインタラクションとモーションのための6自由度パッシブマーカーによる磁気式トラッキングシステムIM6Dを提案した.これは,ワイヤレスでバッテリーレスの小型軽量マーカーを用いた新しい磁気式リアルタイムモーショントラッキングシステムである.複数のマーカーを区別して各マーカーの3次元位置と方向の6自由度の計測を,十分な速度と精度で行うことができる.オクルージョンの問題もなく,複雑な運動や手作業などのインタラクティブアプリケーションに利用できる.LC共振型コイルによるマーカーが発する誘導磁界を複数の磁界センサで検出し,それらの計測データを基に逆問題を解いて位置と方向を特定するという原理に基づいている.ただしそのままでは5自由度の計測に留まっていた.また本計測原理は,位置と方向を計測できないLC共振型コイルの姿勢があるというdead-angleの問題があった. そこで,まず,15個のLC共振型コイルを同時計測できるようにし,さらに,これらを3つずつ組み合わせて利用することにより,上記の問題を解決し,あらゆる姿勢で安定して6自由度の計測をできるようにした.加えて,GPUを用いた並列計算で計算の高速化を図り,実用的なシステムとして実装した. 本研究成果は,コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術の分野のトップコンファレンスであるSIGGRAPH Asia 2015に採択され発表した.その論文は,ACM Transactions on Graphics 誌(IF=4.09)に掲載され,また,注目論文の1つとして選ばれ,ACM SIGGRAPH のwebsite のフロントページ にも掲載された(2016年4月).さらに,情報処理学会グラフィックスとCAD研究会で招待講演を行う機会も得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究成果を,コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術の分野のトップコンファレンスであるSIGGRAPH Asia 2015に投稿し,採択され発表したのは,おおむね当初思い描いていた通りの成果であるが,それがACM SIGGRAPHによって注目論文の1つとして選ばれ,SIGGRAPHのwebsite のフロントページに掲載されたのは大変名誉なことで,これは当初の計画以上に進展した成果と言える.
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今後の研究の推進方策 |
当所の計画通り,機械学習を用いて計測精度をさらに向上させるなどの研究を継続し,人の細かい手作業計測のための唯一の3次元6自由度モーションセンサシステムの実現をもって世の中に貢献したい.
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