研究課題/領域番号 |
15H01700
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
加藤 博一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (70221182)
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研究分担者 |
太田 淳 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (80304161)
浦岡 行治 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (20314536)
清川 清 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (60358869)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 拡張現実感 / ライトフィールド / ヘッドマウントディスプレイ |
研究実績の概要 |
本研究では,このLight Field IO技術を用いた次世代拡張現実感の実現を目指し,その技術の確立を目的としている.平成28年度では以下の成果を得た. ・マイクロレンズアレイ方式の接眼型ディスプレイシステムを試作し,ディスプレイのeyeboxの小ささに起因する瞳孔サイズや眼球運動による映像の乱れを補正する方法を考案した.その上で,その実効性をシミュレーションとユーザ実験によって評価し,瞳孔サイズや眼球運動に応じて,デバイスに表示する映像を動的に調整することで映像の乱れを防ぐことはできることを確認した.しかし,瞳孔サイズが大きな場合に明るさにムラが生じることが確認され,今後の検討になっている. ・小面積で高輝度な発光素子については,現時点で要求仕様を満足する素子の実現が難しいことが文献調査や専門家に対する聞き取りから確認された.そこで,この問題を解決するために光学系の工夫について検討し,発光素子のサイズに対する要求仕様を2~3倍緩める可能性を有するアイデアを発見した.現在,実際にこのアイデアが有効に機能するかどうかの検証を行う準備を進めているところである. ・眼球トラッキングとディスプレイの連携動作を確認するための次期試作システム(マルチレンズHMD評価システム)の開発にあたり,その設計を完了した.さらに,HMD型Light Field IOの透明化に関しては,発光素子の小型化の要求から通常の透明化のアイデアを用いることが非常に困難であることがわかったが,それに替わる新たな可能性を見つけた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
いろいろと困難な問題に直面してはいるため,研究・開発計画を当初計画から多少変更してはいるが,それら問題を解決するための新たなアイデアも発見し,部分的に少しの遅れは認められるが,概ね計画通りに進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
瞳孔サイズや眼球運動に応じて,デバイスに表示する映像を動的に調整することで映像の乱れを防ぐアイデアにおいて,明るさにムラが生じる問題が確認されたが,その解決をまずは目指す.その上で,設計を行ったマルチレンズHMD評価システムを試作し,眼球トラッキングとディスプレイの連携動作の検証を行いながら,より精密な評価実験を実施する.また,発光素子の要求仕様について,その要求仕様を緩めるための光学系におけるアイデアの検証をシミュレーションで行う.
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