本研究の目標は、未開拓な「離散的交渉空間上の自動交渉」に関する自動交渉理論の精緻化とシミュレーション評価を行うことである。そして離散的な交渉空間に対して有効な効用のモデル、交渉戦略及び交渉プロトコルを明らかにした。特徴ある成果として以下を得た。(1)グラフに基づく新しい効用空間モデルを提案し、複雑な効用空間の表現を可能とした。(2)交渉戦略をメタ的に制御するメタ交渉戦略の有効性を確認した。(3)機械学習の技法を用いることができる新しいシミュレーション環境を実装し、より高速に大規模なシミュレーションを可能とした。(4)ANAC国際自動交渉エージェント競技会によってこれらの有効性を確認した。
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