研究課題/領域番号 |
15H01704
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鹿島 久嗣 京都大学, 情報学研究科, 教授 (80545583)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 機械学習 / 人工知能 / ヒューマンコンピュテーション / クラウドソーシング / 集合知 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、グラフ構造などの複雑な構造をもつデータや、分析過程において人間によって生成されたデータを効果的に扱う手法について取り組んでいる。今年度は、前年度までに引き続き、グラフ構造データに対する機械学習法の開発や、複数の人間の意見と機械学習を融合することによってよりよい意思決定を行うための統計的手法の開発をおこなった。 たとえば、近年注目を浴びる深層学習法は、さらにその対象を拡大して、グラフ等の複雑な構造をもったデータを対象とするまでに広がってきているが、モデルが行う判断の根拠がユーザである人間には提示されないため、これに基づく意思決定の妨げとなることがあり、その問題はデータが複雑になればなるほど深刻化する。この課題に対して、化合物等のグラフ構造のどの部分構造が判断の根拠になっているかを提示する頑強な手法を開発し、その有効性を示した。 また、抽象的な問題に対する解決法やデザインなどの入出力がはっきりしない抽象的な課題においては、機械による直接的な扱いが困難であるが、これに対して、多数の人間によって対象の優先度付けや類似性評価が実施されたデータをもとに、これを統合的に用いることで、優先度と類似度をともに反映した、効率的な低次元空間表現の獲得手法を開発した。 その他、機械学習の実問題応用として、深層学習を用いた短期的な気象予測や、テンソル分解による関係分析手法を用いた材料科学における推薦システムへの応用などにも取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
要素技術として、該当分野のトップ国際会議を中心に着実に成果が出ている。また、応用についても学術誌・国際会議で発表できるレベルの成果が出ている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに培ってきた要素技術を総括し、一連の分析過程において位置付けまとめる。また、本課題によって可能になった部分とさらに研究が必要となる部分を特定し、今後の課題を発見する。
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