研究課題/領域番号 |
15H01708
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田中 文英 筑波大学, システム情報系, 准教授 (50512787)
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研究分担者 |
木村 武史 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00294611)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 知能ロボティクス |
研究実績の概要 |
本研究課題の中心的な目標であったフィールド実験を行うことができた。前年度までに開発していたシニア教師と子ども(生徒)による遠隔授業をサポートするロボットインタフェースを、春日学園小学校の科学クラブ活動内に期間を通じて導入し、シニアや子どもからのフィードバックを得てさらに改善を試みるというループを実現することができた。さらには、シニアや子どもたち自身にも開発に参加してもらうユーザ参加型開発という新たな展開も始まった。これらの成果は国際会議にて論文発表されている。また、H29後半には、ロボットとSNSを組み合わせた授業支援方法や、ロボットの身体性を活かした授業支援の素案など興味深い方向性が見つかっており、H30に向けて当初計画以上の進展を示している。 同時に、昨年度から新たに始めた試みであるシェアエージェントの開発についても、プロトタイプ開発を終えてフィールド実験を実施し、その有効性を確かめるところまで行った。この検証過程では社会心理学者との新しい共同研究も生まれ、分析で得られた成果は国際会議およびジャーナル論文に採択される所まで進んでいる。 その他、研究分担者によるロボット倫理研究も宗教学的見地からの研究が進み、国際会議とジャーナルで計4件の論文発表を行った。 学会等での発信活動としては、人工知能学会全国大会にて3年続けてオーガナイズドセッション(世代をつなぐ知的インタフェース)を開催し、研究メンバー内外を含めてこれまでの研究成果や今後の展開についての議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
前述、研究実績概要の項に記したように、本研究課題の中心的な目標であったフィールド実験を当初計画よりも前倒しで実施することができた。加えて、当初計画には無かった展開も、技術開発側面、調査研究側面の双方で複数始まっており、全体的に当初計画以上の進展をしているものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
SNSとロボットの同時活用の分析、ロボットの身体性を活かした支援技術、およびシェアエージェントの研究をさらに進展させる。遠隔インタフェースの性能を更に向上させる技術トピック(モードスイッチング、存在感制御、被教示機能)についても研究を進める。
こうした開発研究と同時に、これまで得られた知見をまとめた論文の執筆も開始する。開発技術についてはそれぞれ国際会議などでも随時論文発表していく。
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