研究課題/領域番号 |
15H01712
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
任 福継 徳島大学, 大学院理工学研究部, 教授 (20264947)
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研究分担者 |
呉 景龍 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (30294648)
松本 和幸 徳島大学, 大学院理工学研究部, 助教 (90509754)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 知能ロボティックス / マルチモーダルインターフェース / 感情認識 / 心状態遷移ネットワーク / ロボットの脳と心 / 感情コーパス |
研究実績の概要 |
本研究では、「アドバンスド知能」と「心的状態遷移ネットワーク」に基づいて、ロボットに脳と心を持たせた進化的ロボットの構築を目的とするものである。平成28年度は、ロボットの心の創造をメインに、感情コーパスの充実及び言語理解と感情解析を行ってきた。具体的には、以下のように研究を実施した。 1.感情コーパスの充実と感情認識精度の向上に関する研究を行った。特に、顔表情コーパスについて、従来、静止画コーパスを開発したが、静止画だけで感情推定精度が低いので、今年度では、動画コーパスを試行錯誤しながら、開発してみた。動画感情コーパスを作成するには、時間と労力がかかるが、いくつかの経験が収められた。特に、動画感情コーパスを構築するとき、場面の設定、温度や照明などが工夫しなければならない。例えば、暑いとき、喜びや平静の感情が出にくいので、避ける必要がある。 2.深層学習アルゴリズムの実装とスーパー関数を活かした言語理解に関する研究を行った。深層学習手法DNNを活かして、3千万くらいのデータを対象として、解析を行った。その結果から、深層学習手法で、スーパー関数を導入すると、感情認識精度が向上されることが分かった。 3.ロボットの脳と心の再定義と感情認識に関する実験を行なった。従来、提案した「心状態遷移ネットワーク」を発展して、ロボットの脳がIQ、ロボットの心がEQ、そしてIQとEQの関連性を研究した。発表できる成果がまだ得られなかったが、今後の研究方向性が明らかにした。また、ヒューマノイドロボットを使って、自動的にロボットの表情生成アルゴリズムを開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の最初予定は、「アドバンスド知能」と、これまで開発された「心的状態遷移ネットワーク」を発展させ、多層思考モデルに深層学習を活かした進化的脳・心を持つロボットを創造する。なお、ハードウェアとしてのロボットの開発は行わず、表情変化などの機能を持ち、2足歩行できるヒューマノイドロボットを特製・購入して実験に用いるが、予算上の事情で、2足歩行できるヒューマノイドロボットを購入できなかった。しかしながら、ロボットの感情表現およびロボットの脳の実証実験は2足歩行ヒューマノイドロボットを使わず、我々のもっている坐姿勢のヒューマノイドロボットを活かし、模擬手法を提案した。今年度の結果から見て、特に支障がなく、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、引き続き下記のように実施する。 1.ロボットのEQ 2.会話と自然言語理解 3.顔表情データベースの構築 4.介護ロボットのシナリオの試験 5.ロボットの感情創造
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