研究課題/領域番号 |
15H01718
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 克己 京都大学, 情報学研究科, 教授 (00127375)
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研究分担者 |
Adam Jatowt 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (00415861)
加藤 誠 京都大学, 情報学研究科, 助教 (00646911)
山本 岳洋 京都大学, 情報学研究科, 助教 (70717636)
大島 裕明 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (90452317)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ウェブ / ウェブマイニング / 情報検索 / 検索意図 / 情報信頼性 |
研究実績の概要 |
多元的な検索要求に対して該当する情報を検索するためには、ユーザにとっては、検索要求を通常のキーワード集合として与えること自身が困難である。このために、ユーザが与えたキーワードや検索要求を記述した自然言語文などから、最終的に検索を実行すべきクエリ候補をウェブなどの情報源自身からマイニングして求める方式を開発した。 具体的には、平成27年度は、以下の研究を行った。 (1) 内容型検索要求に基づく検索様式として、トピック適合性・認知的適合性の高い文書検索のためのクエリ発見や、検索要求のパラフレージングの研究を行った。具体的には、文書中に出現する語彙の誕生時期を推定する方式、商品などのオブジェクトを経験属性に基づいて検索ランキングする方式の開発、文章形式のクエリ文と同意関係(パラフレーズ)にあるクエリ文のマイニング方式、異ドメイン上でメタフォリカルな写像関係にあるクエリ語の発見方式、検索要求に合致して、かつ、「分かり易い」文書の検索方式、同位関係にある文書の検索方式、多様な検索意図に対応できる最適なクエリ推薦方式などを開発した。 (2) 状況型検索要求に基づく検索方式として、タスク検索における検索質問変換に関する研究を行った。具体的には、複数のユーザが協調的に検索を行う際の検索行動分析とそれに基づく協調検索方式、ユーザの状況に応じて適した食推薦を行う方式等を開発した。 (3) 集約的検索要求に基づく検索方式として、分析に要するデータの能動的発見に関する研究、および、多様性計算・典型性計算に基づく集約計算に関する研究を行った。具体的には、コミュニティQA(質問回答)サイトの回答者の信頼性判断のために、回答者の回答カテゴリの多様性計算を行い、信頼性の低い回答者の発見を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
(1)内容型検索要求に基づく検索方式について、トピック適合性・認知的適合性の高い文書検索のためのクエリ発見や、検索要求のパラフレージングの研究で国際的にも高評価な成果を得た。具体的には、文章形式のクエリ文と同意関係(パラフレーズ)にあるクエリ文のマイニング方式、異ドメイン上でメタフォリカルな写像関係にあるクエリ語の発見方式、多様な検索意図に対応できる最適なクエリ推薦方式を開発し、当該分野のトップコンファレンスであるDASFAA2015, ACL 2015, WSDM2016などで発表した。 (2)状況型検索要求に基づく検索方式としては、タスク検索における検索質問変換に関する研究を行った。具体的には、新規性の高い研究成果を得ることができた(複数のユーザが協調的に検索を行う際の検索行動分析とそれに基づく協調検索方式、ユーザの状況に応じて適した食推薦を行う状況型検索方式)。 (3)集約的検索要求に基づく検索方式としては、多様性計算に基づいたコンテンツの信頼性分析に関する研究を行い所期の野成果を得た(コミュニティQA(質問回答)サイトの回答者の信頼性判断のための回答者の回答カテゴリの多様性計算)。
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今後の研究の推進方策 |
(1)内容型検索要求に基づく検索方式については、すでに成果を得ている、文章形式のクエリ文と同意関係(パラフレーズ)にあるクエリ文のマイニングアルゴリズムの高速化、異ドメイン上でメタフォリカルな写像関係にあるクエリ語の発見方式の一般化・高速化を行っていく予定である。 (2)状況型検索要求に基づく検索方式としては、これまで、複数のユーザが協調的に検索を行う際の検索行動分析とそれに基づく協調検索方式、ユーザの状況に応じて適した食推薦を行う状況型検索方式を開発してきたが、これをさらに発展させて、状況を動詞句クエリで表現できる動詞クエリの検索方式を開発していく予定である。 (3)集約的検索要求に基づく検索方式としては、多様性計算に基づいたコンテンツの信頼性分析に関する研究をより一般的なデータを対象にして行っていく予定である。
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