研究分担者 |
平田 岳史 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10251612)
谷水 雅治 関西学院大学, 理工学部, 教授 (20373459)
村山 雅史 高知大学, 自然科学系, 教授 (50261350)
宗林 留美 (福田留美) 静岡大学, 理学部, 准教授 (00343195)
申 基チョル 総合地球環境学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 助教 (50569283)
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研究実績の概要 |
(1)海水中Ni, Cu, Znの安定同位体比精密測定法の開発.エチレンジアミン三酢酸基をもつキレート樹脂NOBIAS Chelate PA-1を用いて海水数100 mL~2 Lから3元素を濃縮し,陰イオン交換樹脂AG MP-1Mを用いて3元素を相互分離する方法を開発した.ブランク値を十分に低く抑え,共存元素を効果的に除去し,3元素を定量的に濃縮分離することに成功した.マルチコレクター型ICP質量分析装置(MC-ICP-MS)の測定条件を最適化した.北太平洋における3元素の濃度・同位体比の鉛直分布を得ることができた. (2)自動濃縮装置の改良.海水中微量元素の濃度測定のために開発した自動濃縮装置を改良し,同位体比測定のための前処理にも適用できるようにした.大量の海水試料を処理できるようにペリスタルティックポンプを搭載し,共存元素の除去のため流路とプログラムを改良した. (3)海水中微量元素の濃度分布の解明.同位体比データとあわせて議論するために,太平洋における海水中Al, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Cd, Pbの濃度分布の測定を進めた.白鳳丸KH-15-3航海に参加し,太平洋,東シナ海の海水試料を採取した. (4)堆積物中Mo, W安定同位体比精密測定法の開発.堆積物試料の分解,NOBIAS Chelate PA-1と陰イオン交換樹脂AG1-X8を用いる化学分離,蒸発乾固・再溶解,MC-ICP-MS測定条件などの検討を進めた. (5)その他に,海洋生物の食物連鎖がFe安定同位体比におよぼす影響を調べた.マンガン団塊など固体試料のNi安定同位体比精密測定法の開発を進めた.
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