研究課題
昨年度開発した低温用の小型・可搬型積雪粒径測定装置(HISSGraS)を短時間校正及び衛星同期多点移動観測が可能なように改良するとともに、本科研費課題の推進を通して高度化した雪氷物理観測技術を活用した現地観測を、デンマーク・グリーンランド地質調査所の調査に同行した共同研究者がグリーンランド氷床最南部において実施した。本課題の推進を通して高度化してきた最新版の積雪変質モデルSMAPを用いて、積雪モデル国際相互比較プロジェクトESM-SnowMIPに参画した。さらに極域気候モデルNHM-SMAP v1.0を用いて、1980年から現在にかけてのグリーンランドを対象とした長期気候計算を行い、結果をグリーンランド氷床表面質量収支計算モデル相互比較プロジェクトGrSMBMIPに提出した。これらの成果はIPCC AR6において参照される予定である。その他、雲放射が雪氷表面融解に与える効果の定性的・定量的影響評価を行う感度実験機能をNHM-SMAPに実装した。X線マイクロCTデータの新しい利用方法として、新庄で採取した霰サンプルのマイクロCTデータを入手し、霰の詳細な全体形状・内部構造を再現し、マイクロ波散乱特性が計算可能な霰粒子形状モデルを新たに開発した。この粒子モデルを使って霰粒子のCバンド偏波レーダーによるレーダー偏波特性をDDA法を用いて計算し、偏波特性のサイズ依存性や配向による分散、また部分的な融解による特性の変化について理論的な推定を行った。2019-2020冬期の札幌と長岡における積雪不純物濃度の分析を熱光学式カーボン分析装置により行った。また札幌における積雪断面観測の計測項目に、HISSGraSによるSSA計測を追加した。積雪開始時期から融雪期にかけて、積雪各層における雪質、密度とSSAの変化の関係を考察した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 4件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 15件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 6件)
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