研究課題
1.日本人分類不能FA症例9例のサンプル解析。分類不能FA症例9例は、様々な努力によっても既知のFA原因遺伝子の変異による発症が確定出来なかった症例である。細胞の入手可能であった3例においてRNAseqを行い、現在解析を行っている。また、FAAP20の変異を認めた例からの細胞にFAAP20をレンチウイルスによって導入した。FANCI、FANCMのヘテロ変異を認めた例に対応する遺伝子を導入した。現在発現の確認と相補の有無をテストしている。2.インド人FA患者サンプルの解析による新規FA遺伝子ハンティング。二国間交流事業によってインド、ムンバイを訪問し、サンプルの輸送について相談し同意を得た。しかし、インド政府の認可がおりず、年度内にサンプルの輸送を行えなかった。やっと認可が出たので、サンプル輸送を開始する。3.同定された新規FA蛋白質機能の詳細な解析。研究分担者の佐藤博士(早稲田大学胡桃坂研究室)によって変異型UBE2Tのインビトロ酵素活性低下と、FANCLとの会合の低下が確定した。また、ゼブラフィッシュFAモデルの作成と解析。UBE2Tのノックアウトゼブラフィッシュを作成については、ヘテロ変異をもつ個体を得る事に成功し、現在ホモ個体を得るべく掛け合わせを行っている。
3: やや遅れている
日本人患者の解析は順調に推移しているが、インド人患者の解析は遅れている。これは、インドからのサンプル送付や研究打ち合わせのための来日などが、インド政府が認可せず、H27年度内にほとんど進める事が出来なかったためである。ようやく認可が出たので、サンプルの輸送が開始でき、今後の進展は期待できる。
インドの症例の解析を効率良く進めるため、細胞株の作成を試みる。EBVのトランスフォーメーション法が簡便でよいと考え、オランダ、米国のグループからプロトコールと必要なEBVのソース細胞(B95-8)を入手した。これにより、変異をみとめた遺伝子による相補が簡便に行えることが期待できる。
すべて 2015 その他
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http://house.rbc.kyoto-u.ac.jp/research