研究課題/領域番号 |
15H01824
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
瀬尾 和哉 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (60292405)
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研究分担者 |
浅井 武 筑波大学, 体育系, 教授 (00167868)
大島 成通 名城大学, 理工学部, 准教授 (00278326)
坂口 隆之 山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (10436496)
仰木 裕嗣 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 教授 (90317313)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | スポーツ工学 / 連成問題 / 用具とスキル / 同時最適化 / EI値 / 飛行力学 / 筋骨格シミュレーション |
研究実績の概要 |
平成29年度は,主に3つの研究を行った. 1)飛翔軌跡シミュレーション:ラグビーゴールキック,円盤投,やり投,サッカー等の飛翔中の挙動をシミュレーションにより調べた.変数は,用具の幾何形状,射出条件である.これらの成果は2017年10月30日にNHK総合「凄ワザでメダルを目指せ 東京五輪SP」にて放送された.本研究の成果を実際の場面に応用しはじめたところである.実際に用具を作ると,シミュレーション通りの性能が出ていないことがある.新たな課題が明らかになってきた. 2)射出前のヒトの挙動:筋骨格シミュレーションを試みた.具体的には,ラグビーゴールキックの選手の挙動を3次元動作解析装置により取得した.逆動力学解析により,蹴り脚側,軸足側で高負荷のかかる筋が明らかになった. 3)最適化:子供用の小型ジャンプ台,円盤のメタルリム径,クラス対抗リレーのオーダとバトンパス位置を変数とした最適化を行った.この際,EI(Expected Index)値を用いて,評価回数が少なくなる(計算時間が少なくなる)よう工夫した.EI値の計算法獲得は,効率的に最適解に迫るための改善,データ駆動科学の芽吹きである. その他:リオデジャネイロパラリンピックのサポートで行ったタンデム自転車の風洞試験の様子が2017年11月19日放送のNHKBS「スポーツイノベーション」に取り上げられた.前後のライダーのクランク角の位相差に着目した革新的な漕動作を提案する内容である.司会者からは「これは日本だけの秘密にしなければならない.大袈裟に言いたくはないが,ミラクルだ.」との感想を頂いた.合わせて,日本流体力学会年会において発表したこの研究が注目の研究に選ばれ,日本流体力学会誌「ながれ」に解説記事を寄稿した.今年度内に解説論文4件,国際学会における招待講演1件であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度までに必要なソフトを全て揃えた.自作プログラムも基本は概ねでき上っている.あとは,プログラムの使い勝手を向上する等の細かい作業である. 実験データも自分の研究室で測定できることは完了した. 設備を借用する関係,被験者の都合で,ヤリのMSBS試験や選手のモーションキャプチャは次年度に残している(両試験とも既に1度実行済みで,確実に実行できる見込みである).
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今後の研究の推進方策 |
残された試験を行う.すなわち,モーションキャプチャとMSBS試験である.これらを基に応答局面を構築し,筋骨格シミュレーションと飛行力学の連成問題のモデル化とその最適化手法の確立(テンプレートを作る)を行う.
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