研究課題
平成29年度は、前年度までに得られたデータの統計解析と唾液・歯ブラシ液・糞便検体のアンプリコン解析の継続を行った。まず、口腔内細菌叢のプロファイルから喫煙習慣者をを推定できる可能性が明らかになった。また、歯磨き時間と口腔内細菌叢について検討した結果、歯磨き時間の長短による細菌叢変化は、個人の識別能に影響を与えないということがわかった。さらに、糞便のDNA抽出方法について検討を行い、迅速にDNA抽出が行えるようになり、より効率的に解析ができるようになった。しかし現在までにメインアウトカムとして期待されていた握力に関連する細菌叢プロファイルは特定できておらず、除菌マウスへの糞便移植を行うことができなかった。一方、従来のマウスを用いた筋損傷回復過程のモニタリングは安楽死後の動物からの摘出筋の重量および組織学的な検討に依存していた。したがって同一個体の筋損傷の回復過程の追跡は血中の組織損傷に関わるサイトカインなどのメディエーターが中心であった。これは損傷そのものの定量性に欠けると共に、これらのマーカーの正常化をもって回復とするだけであり、回復そのもののモニタリングができていなかった。そこで、同一個体の筋損傷からの回復過程を追跡するために、蛇毒カルディオトキシンの筋組織内注入による筋損傷誘導後、経時的にMRI撮影を行うことにより筋損傷からの回復過程を追跡した。カルディオトキシン注入の方法によるバラツキが起こることが明きらかになるとともに、MRI上の変化は時間経過とともに改善していくが、2週間にわたり観察することが可能となった。既存の報告にある組織学的な回復過程と同様に2週間でほぼイメージ上の変化が消失することが明らかになった。またカルディオトキシン注入部位の評価を同日内に行うことができ、筋損傷モデルの質の大幅な改善ができることを明らかにした。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Epdemiology
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https://doi.org/10.2188/jea.JE20170029